メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの若者たち

《2013年10月4日付け記事の後半部分を修正して再録》

イスタンブール郊外の保守的な街イエニドアンで暮らしていた2013年の9月、あるいは8月だったかもしれない。

未だ暑かった頃、夕方、カドゥキョイで乗ったバスが、イエニドアンに近づき、車内が空いてきたら、降車口を挟んで対面に座っている高校生ぐらいの女子2人と、その脇に立って、彼女たちと楽しそうに話し込んでいる男子の様子が良く見えるようになった。
窓際に座っている女子は、ノースリーブの服着て、頭にはもちろん何も被っていない。もう一人は、長袖を着込んでスカーフをしっかり被っていた。
低い声で話す彼女たちの会話に、「ジャポン(日本人)・・・」というのが聴こえたので、かなり注意して様子を覗っていると、男子が身体を屈めて、スカーフの女子に何か囁き、それをたしなめようとした彼女は、おそらく男子の頭を軽く叩こうとしたのだろう、パッと平手を振り下ろしたら、その拍子に男子が身体を起こそうとしたため、彼女の平手はものの見事に男子のほっぺたへ命中してしまった。
「ピシャリ」と大きな音がして、スカーフの彼女はちょっと悲鳴をあげ、それから3人で大爆笑。私も笑ってしまった。
それで、彼女たちとも目が合ってしまったので、「君たちは高校生なのか?」と尋ねてみた。
まず、男子が礼儀正しく挨拶してから、「はい、皆同じ高校です」と答え、ノースリーブの女子は、「すみません。不愉快だったでしょうか?」と私に訊いた。
「いや、君らは若いんだから良いよ」と爺臭く許してあげたら、スカーフの女子は「あのう、若い頃を懐かしんでいるんでしょうか?」なんて言う。そして、皆でまた大笑いした。

・・・・・

イスタンブールを離れて早や5年半、こんな光景がとても懐かしい。本当はメルハバ通信に、こういった見聞を書き続けたかったのだが、それも叶わなくなってしまった。

「トルコの若者たち」と改題してみたけれど、2013年当時、17歳ぐらいだった彼らは、今、26歳ぐらいになっているだろう。

ひょっとすると、以下の駄文でお伝えしたユーチューバーの青年のように世界を旅しているかもしれない。

merhaba-ajansi.hatenablog.com