メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

土山を歩く

今日は、JR土山駅の周辺を散策してきた。出掛ける前はその辺りも加古川市内なのかと思っていたけれど、今調べてみたら、加古郡播磨町となっていて加古川市からは少し外れている。今日歩いた大中遺跡公園の西端が加古川市との境界線になっているようだ。

大中遺跡公園までは、土山駅から「であいのみち」という遊歩道を歩いた。この遊歩道は、廃線になった別府鉄道土山線の跡地であるという。以下の「加古川市内探訪」という駄文に記した「別府鉄道野口線」と同様、多木化学が自社製品を輸送するために敷設したそうである。

野口線の跡地に作られた「松風こみち」に、かつて走っていた電車が展示されていたように、「であいのみち」にも機関車と客車が展示されていて、こちらは機関車の運転席に乗ることもできる。今日の散策では、この運転席が最も楽しい思い出となった。

しかし、散策の当初の目的は機関車じゃなかった。JR神戸線の車中からも良く見える五重塔が気になっていて、これを見に行こうとしたのである。ところが、五重塔は近年に建造されたもので歴史的な由緒が感じられなかったうえ、納骨堂になっていて中へ入ることは叶わなかった。とはいえ、なかなか見応えの有る建物だった。

大中遺跡公園には、弥生時代の堅穴式住居の遺構に茅葺の家を再現したものが多数展示されていて、薄暗い住居跡の中にも入ってみたりしたけれど、実のところ、こういった遺跡にはそれほど興味があるわけでもない。

建造物として外観等が見事だったり、今でも人々が暮らしていたり、礼拝していたりすると、そこに初めて大きな価値を感じるのである。

というわけで、今日は天気も良かったから、公園の中を歩き回るだけでも楽しかったが、遺跡に表示されている説明などは殆ど読んでいなかった。薄暗い住居跡に入って「こんな家で暮らすのは大変だったろうなあ」と思ったぐらいである。

そういえば、1994年だったか、トルコの南東部ビトゥリスの街で、薄暗い墓所の中へ入って行ったら、中で寝そべっていた大きな犬が躍りかかって来て胆を潰したことがある。もちろん、今日の住居跡には犬も猫も寝転んでいなかったけれど・・・。