今年から始めた配送運転手の仕事、配達区域はほぼ加古川市内に限られている。お陰で市内の地理がようやく解って来た。
隣接する高砂市に住んでいながら、それまで加古川方面へ出かけることは余りなかったのである。
正月、初詣に出かけた鶴林寺は、加古川市内随一の名刹と称されるだけあって、実に味わい深い趣が感じられたけれど、車で走り回っていると、他にも思わず目を引かれるような光景が所々に現れる。
しかし、信号等で止まらない限り、そのまま通り過ぎてしまうので、いつか休日に自転車で来てみようと思ったものの、冬の間は寒くて、とても自転車を走らせる気にはなれなかった。それを五月晴れの今日、やっと実現させたのである。
今日の主たる目的地は、別府港(「べっぷ」ではなく「べふ」と読む)近くで目にした「多木浜洋館」。これは国の有形文化財に指定されているそうだ。
日本で初めて人造肥料の開発に成功した多木化学の創業者が迎賓館として創建したという。この多木化学の本社の建物も非常に趣がある。
多木化学は自社製品を輸送するために2つの路線を持つ別府鉄道も運営していたが、いずれも1984年に廃線となり、野口線の跡地は「松風こみち」という遊歩道になっている。
今日はその「松風こみち」を旧野口駅から辿って山陽電鉄の別府駅まで出た。途中、昔の車両が展示されていたり、線路の跡が残っている所があったりして、なかなか楽しかった。