メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2022年の世界/日本はロシア・中国・北朝鮮との関係を強化する?

1月2日付けのサバー紙のコラムで、ベルジャン・トゥタル氏は次のように書き出している。

「新しい世界の担い手であるトルコ・中国・ロシアが、お互いに、そして他の国々との結びつきを深めて行くのに対して、西欧諸国の中に見られるブロック化と分裂は、米国の外交をより困難にして行くように思われる。・・・」。

1970年トルコ東部のアール県生まれのトゥタル氏は、エスニック的にはクルド人であり、ドバイを本拠地とするオリエント・ニュースというシリア系メディアのクルド語放送にも出演しているが、非常に愛国的なトルコ人という印象もある。

政治的には明らかなエルドアン政権の支持者と見られ、その論調には強い反米意識もうかがえる。それは、上記の書き出しの語り口からも解るような気がする。

記事には、続いて世界各地の情勢が論じられている所で、「イスラエルは、米国の弱体化に対して、中国寄りの戦略を『パクス・シニカ』として成就させようとするだろう。・・・」であるとか、「韓国における、北朝鮮と統一へ向けての努力、そして中国との関係の発展は、米国のインド太平洋戦略に打撃を与えるだろう。・・・」などと記されてもいるけれど、極めつけは、以下の日本に関する部分ではないかと思う。

「米国の太平洋における忠実な同盟者である日本は、新たな飛躍と言える『戦略的自主独立』政策の一環で、ロシア・中国・北朝鮮、そしてイランとの関係を強化して、米国の軍事的・政治的な圧力を少し鈍らせることを狙っている。」

これには流石に驚いた。いったい、如何なる情報をもとにして、このような説を導き出したのだろう?

しかし、この記事の表題は「2022年の地政学の占い」となっている。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といったところなのかもしれない。

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