元町に「ハルピンの家庭の味を楽しめる中華料理屋」があるというので出かけてみた。焼き小籠包やシュウマイが美味しくて、豆腐を麺状にした変わった料理もあるそうだ。
結果を申し上げると、確かに、小籠包や豆腐の麺料理が美味しかった。それから、メニューにあった「チャプチェ」がとても気になって、これも食べてみた。
チャプチェは韓国の料理だろう。漢字表記にすれば「雑菜」らしいが、「チャプチェ」と言ったら、それは韓国語の発音だから、メニューには料理名も韓国語で記されていたのである。
このチャプチェも非常に美味しかったけれど、何故、ハルピンの家庭料理にチャプチェがあるのか、店主の女性に尋ねたところ、なんと彼女の母親は韓国からハルピンに嫁いできたそうである。父親はハルピンの朝鮮族であるという。
だから、彼女の「家庭料理」には、ハルピンの料理の他、母親から受け継いだ韓国の料理も含まれている。
これは、如何にも大陸らしいスケールの大きさが感じられる話だと思った。彼女は、中国語・韓国語・日本語のトライリンガルなのである。
そして、「日本では韓国語を話す機会が余りない」と言いながら、私の下手な韓国語にも付き合ってくれた。
料理が美味しかったばかりでなく、興味深い話をたくさん聞くことが出来て、とても楽しかった。お腹も心も満たされたような気がする。