今日の夜勤明け散歩は、新神戸駅の裏手にある徳光院、それから布引山の展望台を目指して歩いた。
徳光院の厳かな佇まいも、布引山からの眺望も素晴らしかったが、そこへ至る途中で目に留まった3階建てのビルが実に興味深かった。
まず、やけに頑丈そうな玄関のドアに張り付けられた黄色の張り紙に目を引かれた。
それは、11月30日の夜勤明け散歩で見た山口組本部の玄関に張られていたものと同じ張り紙であるように思えた。
近づいて見ると「この事務所に立ち入り、又はとどまることは禁止」と大きく記されていて、全く同じ張り紙であることが解った。
すかさずネットで調べてみたら、どうやらここが山口組の中核組織「弘道会」の神戸事務所であるらしい。
しかし、頑丈そうな玄関のドア以外には、これといった特徴もないビルだから、張り紙が無ければ見逃してしまうところだった。
帰宅して、さらに山口組関連のニュースを検索したところ、既に2年ほど前から、この禁止命令により傘下の組員も事務所に立ち入れない状況が続いているという。
山口組本部玄関先の張り紙を見た時は、外部業者の立ち入りを禁じているだけかと早合点していたけれど、建物の使用を全面的に禁じる処置であるそうだ。道理で山口組本部は静かだった。あそこはもぬけの殻で誰もいなかったのである。
今日の弘道会事務所も同様に違いない。組員たちはいったい何処で活動しているのだろう?
一時は総勢1万人以上と言われ、世界最大の暴力組織などと言われていた山口組も、今や構成員は5千人に満たないらしい。
考えてみれば、暴力団も「きつくて危険な仕事」である。今時、ああいったハイリスクな業種には成り手などいないのかもしれない。おそらく、このまま衰退を続けて、近い将来、文字通り「壊滅」に至るのではないかと思う。
とはいえ、暴力団の衰退と日本の社会そのものの衰退には、何だか相関関係でもあるかように思えてしまうところが悲しい・・・。