メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスラエルとパレスチナ

イスラエルパレスチナの問題、双方の主張は大きく異なっていて、現地を見たことがない私には是非の判断も下しようがない。

パレスチナの人々が暮らしていた地域をイスラエルが力ずくで奪って来たのは確かなようだけれど、世界の歴史は全てそれの繰り返しだったのではないかと思う。

弱かった所為で故地を追われたユダヤの人々は、二千年にわたって世界各地で流浪の生活を送りながら経済力等を蓄え、その力で故地に戻って来て、かつての領域を奪い返そうとしている。このように考えることが出来るかもしれない。

オスマン帝国も力ずくでコンスタンティノープルを征服し、ギリシャ正教徒からアヤソフィアを奪い取り、イスラム教のモスクに改装した。

その後、オスマン帝国は弱体化して崩壊に追い込まれ、トルコ共和国として存続を図ったものの、力及ばずアヤソフィアは博物館になったが、力を取り戻すと再びモスクにして礼拝を執り行うようになった・・・。

世界の何処でも歴史はこうして成り立って来たに違いない。

そして、現在、その世界の歴史は、覇権を握っている欧米の視点から語られるようになってしまった。

しかし、そのために欧米は自らを厳しく鍛え上げて来たのではないかと思う。自分を甘やかして鍛え損なった弱者が文句を言っても始まらない。

例えば、イスラエルでは、女性も兵役に就いて国防に努めるが、出生率は高く、中東の中でも抜きん出ている。女性たちは「祖国のために子供を産む」と言うらしい。この国が地域の覇権を握る強者となったのは当然のことだろう。

もちろん、覇権を握る強者も、鍛錬を怠ったり、力を過信して無謀な行動に出たりすれば、たちまち躓いてしまうかもしれない。

今のイスラエルは正しくその力を過信した状態であると指摘するトルコの識者もいる。果たしてどうなるだろうか?