メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「トルコの女性キャスター」

《2016年11月21日付け記事の再録》

イスタンブールに住んでいた2016年11月、YouTubeで日本の報道番組を観ていて、どうにも気になることがあった。男性の相方と共に進行役を務める女性のキャスターが、まず殆ど発言しないのである。
男性のキャスターは、自分の意見も述べながら、ゲストの専門家に質問していたけれど、女性の方は、番組の初めにゲストを紹介したぐらいで、後は静かに座っていただけのような感じさえする。
トルコの報道番組で、同様に殆ど発言しない女性キャスターがいたら、女性に限らず、男性の視聴者からも非難が殺到するだろう。「あの女性は、いったい何のために出演しているのか?」と問い質されるに違いない。

余りにも気になったので、その「発言しない女性キャスター」の経歴を調べたら、一流大学を卒業して、入社10年になる歴とした局アナウンサーである。海外経験が豊富で英語に堪能というから、何か意見を述べてくれても良さそうな気がした。
日本でも、安藤優子氏などは、若い頃から、かなり積極的に発言していたと思うが、氏はもともと局アナじゃなかったらしい。局アナになると、何らかの制約を受けてしまうのだろうか?
ひょっとすると、日本の社会全体に、今でも『女性は少し控えめにしていた方が無難だ』といった雰囲気が残っているのかもしれない。トルコの人たちも、こんな国の住人たちから、「トルコの女性差別が云々」などとは言われたくないだろう。
トルコの女性キャスターは、報道番組で進行役を務めながらも、自分の意見表明をあまり控えたりしない。ゲストの話を遮ったりして、やたらと仕切りたがる女性キャスターもいる。こういった傾向は、スカーフを被っている保守的な女性キャスターであっても全く変わらない。

トルコでは、男性ばかりでなく、女性も日本人と比べたら、遥かに自己主張が強いのではないかと思う。安藤優子氏も、トルコに来れば、控えめでお淑やかな女性に見えてしまうかもしれない。
そういえば、「CNNトルコ」のハンデ・フラット氏が、美人キャスターとして、日本でも話題になっていたそうだ。「7月15日クーデター事件」の際、生放送で、スマホを使ってエルドアン大統領のメッセージを伝えた女性キャスターである。
しかし、ジャーナリストとしての力量はともかく、「美人」という観点からすれば、ハンデ・フラット氏が、特に際立った存在であるとも思えない。

以下のYouTubeから視聴できる報道番組の女性キャスター、シムゲ・フストゥクオウル氏や、ゲストの女性ジャーナリスト、ナゲハン・アルチュ氏も実に美しい。


Doğrudan Siyaset 7 Kasım 2016