メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

動物園オタク?

昨日は姫路城の天守閣に登ってから、隣接している姫路動物園にも寄ってみた。

お目当ては「ツチブタ」という珍しい動物だったが、5月に死亡してしまったそうだ。主のいない飼育舎に「御挨拶」のメッセージだけが掲げられていた。非常に残念。

ツチブタを飼育している動物園は、日本に数えるほどしかなく、最も近いところでも名古屋の東山動物園まで行かなければならない。姫路城も動物園も、昨年、越して来た時に直ぐ出かけておくべきだった。

私は子供の頃から「動物園オタク」で、50年前の上野動物園なら、どの動物が何処にいるのか何も見ずに地図が書けたほどである。特に類人猿のような、観客の動きに何か反応を見せたりする動物が大好きだった。チンパンジーやオランウータンの飼育舎の前に1時間ぐらい佇んでいることも珍しくなかった。

小学校の高学年になってからだと思うが、朝日新聞と共に配達されていた「朝日ラルース」の動物百科を哺乳動物の項目だけなら隅から隅まで読んでいた。

「どの種がどの種と近縁なのか」といった雑学も結構蓄えていたけれど、余り興味のない動物については特に留意していなかったから、牛と水牛が「属」も異なる別種であるなんてことは、福岡でネパールの人たちと付き合うまで知らなかった。

ネパールでは、牛が神聖視されているものの、水牛は別種だから食べても良いことになっているそうだ。

もっとも、50年前に蓄えた動物の分類に関する雑学など、今ではかなりの部分が通用しなくなっているかもしれない。50年前の動物百科には、例えば「ツチブタ」も「アリクイ」の近縁種であるかのように記されていたのではないかと思う。

当時はDNA解析などというものが未だ行われていなかったため、食性や形態の類似点から、そういった推測を試みていたはずである。

しかし、DNA解析の結果、近縁が明らかにされて最も驚かされたのは、なんと言っても「クジラ・イルカ類に最も近縁な陸棲動物はカバ」という発見ではなかっただろうか? これには思わず「そんなカバな!」と叫びたくなってしまった人もいたに違いない。

形態等から推測すれば、アザラシやアシカの類の方が遥かに近縁であるかのように思えてしまうけれど、進化の系統は全く異なっているらしい。

姫路動物園には、アシカの近縁種である「オタリア」がいた。今では日本の各地の動物園で飼育されているそうだが、かつてはなかなかお目に掛かれない動物の一種だったような気がする。

私はオタリアを1988年にソウルの動物園で初めて見たと記憶している。オタリアはオスの首の周囲にタテガミのような毛が生えていて非常に特徴的である。

ソウル動物園のオタリアは、その立派なタテガミを蓄えた大きなオスだったが、残念ながら、昨日、姫路動物園で見たのはメスのようだった。

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姫路動物園の「ミナミコアリクイ

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姫路動物園の「オタリア

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今年の1月頃に出かけた王子動物園の「カバ」