メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

各国のコロナ対策:スウェーデン・トルコ・日本・韓国

コロナに対して、ロックダウンといった大掛かりな対策を取らないまま、集団免疫という状態に至ったとされるスウェーデンは、既にほぼ通常の生活にもどっているそうだ。人々はマスクなどせずに友人たちと集い、短い夏の終わりを楽しんだという。実に羨ましい。
スウェーデンに行ったことはないし、情報も限られているから良く解らないけれど、コロナを政争の材料にしようとする野党勢力はもちろん、むやみに危機を煽ろうとするメディアも存在していないのではないだろうか? 

スウェーデンという国の英知を改めて感じさせられた。

他の国々では、政府がスウェーデンと同じようにしたくても、とにかく「感染者数」を抑えないと何を言われるか解らないので、仕方なく何か対策を取っている場合もありそうに思える。

また、トルコの政府は、インバウンドの観光客誘致のため、「コロナ対策は万全ですから御安心を!」みたいなキャンペーンを繰り広げている。もちろん、野党勢力の横槍も怖れているに違いないが、観光業のためにも「対策」は取らざるを得なくなっているのかもしれない。

そうは言っても、あの「隔離病棟」みたいになっている観光地へ出かけて何が楽しいのだろう? キャンペーンのビデオで、人影もまばらなエーゲ海のビーチに「ソーシャルディスタンス」用の仕切を設けたり、パラソル等にまで殺菌消毒作業を進めたりしているのを見たら、何だか映画「ベニスに死す」の最後の場面を思い出してしまった。

日本の政府が「何かやっている」ように見せているのも、結局はそんなところじゃないかと思う。ロックダウンなどせずに、「何かやっている」ふりだけで済ませたのは非常に賢明だったような気もする。

しかし、韓国政府の狂的な対応が、仕方なくやっている「対策」のようには思えない。当初私は、豪胆な韓国の人たちのことだから、「ケンチャナヨ!(大丈夫!)」で済ませてしまうのではないかと期待していたのに、我々日本人も驚くほどの神経過敏状態になっている。

もっとも、行き過ぎた対策に反対して、大規模なデモも起きているようだから、神経過敏になっているのは政府とその周辺だけなのかもしれない。イデオロギーで凝り固まっていると、何に対しても神経過敏になってしまうものだろうか?