メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

コロナ騒ぎの違和感/正教会のイースター

今日は、東方正教会イースターで、三ノ宮の教会へ見学に行くつもりだったけれど、教会のHPを見るとコロナ騒ぎのため拝観を規制しているようなので取り止めにした。楽しみにしていたから非常に残念。

しかし、このコロナ騒ぎ、当初より私は腑に落ちないものを感じ続けている。まずは日本での死亡者の少なさである。

私は2017年4月に帰国するまでトルコのイスタンブールで暮らしていた。この2017年、トルコではシリア国境付近等の軍事衝突により270人の戦死者を出している。2016年には、あの忌まわしいクーデター事件もあったため、その数は723人に達していた。戦死者は毎日出ていたわけでもないが、軍事衝突があれば数十人の単位で報道される。それをひと月ぐらいの間に何度も聞かされていると、5~6人の戦死者では驚かなくなってしまう。もっとも、物々しく報道しないだけで、交通事故でも10人近くの人が毎日のように亡くなっていたはずだが・・・。

隣国のシリアの状況はさらに痛ましい。2017年でも33000人、ピークに達した2014年には76000人の戦没者が記録されたという。シリアの状況もトルコでは詳細に報道されていたから、私はそういった死者の報道に余り驚かなくなっていたようだ。そのため、日本のコロナの死亡者数が報道されても、特に刺激を受けることはなかったのかもしれない。現在、累計で200人ほどになっているそうだが、日本でも交通事故の死者は毎月200人ぐらい出ているだろう。警察庁の発表では、今年に入ってから3月までの死者数は748人であるという。

トルコにおけるコロナの死亡者数は累計約1800人に達していて、日本とはかなり状況が異なる。こちらは交通事故や軍事衝突による死者の数を遥かに上回っている。人口当たりの死者数が最も多いイタリアは約23000人で、これは確かに非常事態と言っても良いだろう。イタリアに限らず、トルコを含む欧米諸国は、非常事態を宣言しても仕方がないかもしれない。(それでも、2千万ほどの人口で年間7万6千人の戦没者を出したシリアの人たちは、人口約6千万のイタリアで2万3千人が亡くなったことに驚かないのではないか・・)

しかし、日本における「緊急事態宣言」は何だか良く解らない。それほどの状況だろうか? 日本では感染の始まりが遅かったのでこれからピークを迎えるという説も、中国に近く交流も密な日本の条件を考えたら、肯定し難い。また、韓国でも死亡者数は少ない。それよりも、何故、日本ではコロナが重篤化しないのかについて研究を進めるべきだと思う。

https://www.cnnturk.com/turkiye/iste-2005-2017-arasinda-sehit-verilenlerin-ve-gazilerin-sayisi

https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_6921/

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html


トルコ/イスタンブール:アルメニア教会イースター・ミサ(2015年4月)