メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

韓国の総選挙

韓国の総選挙は、革新与党の圧勝だったという。そのため、韓国の北朝鮮寄りの姿勢が強化され、韓国は北朝鮮に取り込まれてしまうのではないかと危惧する声も出ている。

しかし、どうなんだろう? 良く考えて見ると、韓国が中国に接近して統一を模索し始めたのは、革新のムン・ジェイン政権に始まったことではないような気もする。保守派のパク・クネ前政権も「統一は大きな賭けだ」と言って、統一への執念を明らかにしていた。なんと言っても「統一」は民族の悲願であり、この期を逃した場合、南北分断が固定化されてしまう懸念は日に日に増しているだろう。

また、ジョンウンの時代になって、北朝鮮は明らかに異常な様相を見せ始めている。ひょっとすると韓国内でも「この政権は長く持たない」という観測があり、すり寄るように見せて取り込んでしまう目論みがあるのかもしれない。

もちろん、この統一プロセスは、韓国内に米軍が駐留している限り、実現の見込みはないように思えるけれど、今後、中国寄りの姿勢がもっと明確になれば、米軍の撤退ということも有り得るのだろうか?

これはコロナ騒ぎなどぶっ飛んでしまうような衝撃を東アジアへ及ぼすに違いない。それにしても、こういった政策にサムスンやLGといった大企業の意向はどのくらい反映されているのか良く解らない。韓国の企業は西側の資本主義体制の中で繁栄を遂げて来たからだ。現実的に考えれば、米国を中心とする国際秩序から離れて中国へシフトすることは、とてつもないリスクを孕む凄まじい大賭博になってしまいそうである。現実を見極めて利潤を追求してきた企業は、決してそういう賭けを好まないような気がする。

しかし、韓国には歴史的に現実よりも思想を優先させる傾向があるため、これから本当にどうなって行くのか解らない。