メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

コロナで手洗い励行も大変だ

トルコにいた頃は、私もかなり頻繁に手を洗っていた。握手の習慣があるため、相手に失礼だと思っていたからだ。しかし、2017年に帰国してからはその限りでもない。

2017年、まずは福岡の会社で土木作業員として働き始めたが、現場の状況によっては、昼飯前にも手を洗えなかったりする。軍手だけ外してそのまま弁当を食べたりしていた。その後、外国人就学生を配送センター等へ派遣する業務の運転手になり、配送センターでは私もトラックの荷下ろしなどを手伝ったけれど、ここでも汗の染み込んだゴム付き軍手を常時着用しているから、手洗いもへったくれもなかった。トイレへ行くときは逆に軍手を外すだけである。

現在は警備員で、人目もあるから職場では手を洗っているし、通勤時などに公衆トイレへ行く場合も同様である。昨今、手を洗わずにトイレから出たら白い目で見られてしまうだろう。しかし、警備員として働いている施設へ配達に来る業者の人たちを見ていると、やはり軍手を外して小まめに手を洗ったりはしていられないようである。中には軍手を着用したまま、台帳に必要事項を記入する配達員もいる。

近頃は配達時間の指定などもあり、業界はかなり厳しい状況になっているので、多くの配達員が荷物を小脇に抱え、息を切らして走ってきたりする。そのため、マスクなど着用していない人も未だ結構いる。

ある配達員の人は、「コロナ騒ぎ以来、お客さんの中には荷物を下に置かせて手渡しを拒み、あまり近づこうとしない人もいるんですよ」と苦笑いしていた。ところが、ネット購入の増加などにより、コロナ騒ぎ以来、仕事はますます忙しくなっていると言うのだから、なんとも矛盾を感じてしまう。

配達員はもちろん、土木作業員も在宅勤務など不可能に違いない。手洗いもそうだが、マスクの着用も難しいだろう。世間の騒ぎをよそに黙々と働くよりないのかもしれない。