メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ケバブ食べて悶絶する日本人

《2016年11月5日付け記事の再録》

エキストラに駆り出されて出演したテレビドラマなどで、自分の台詞もあったりした場合は、放送後に“YouTube”から出来栄えをチェックしている。
先日のドラマでは、「トルコの美味しいケバブを、がっついて食べている内に悶絶する日本人」というのをやらされた。
前以て送られてきた台本には、「赤くなったり真っ青になったりした挙句、失神してテーブルに突っ伏す」と書かれていて、『そんな難しいこと言われても無理だよ』と思いながらも、なんとか自分なりに工夫してみることにした。
しかし、撮影当日、監督さんからはそれほど難しい注文もなく、「苦しそうな顔してから突っ伏して下さい」と言われた。さすがに監督さんも、素人に「赤くなったり真っ青になったり」させるのは無理だと思ったのだろう。
それでも、一応、工夫した通りにやってみたら、監督さん、結構喜んでくれた。主演の若い女優さんも大笑いして次の台詞が言えなくなっていた。どうやら少しは巧く行ったような気がして、放送後のチェックが楽しみになった。
さて、そのチェックしてみた結果だけれど、馬鹿々々しい雰囲気が、ある程度は出せていると思う。監督さんや台本書いた人も、こういう馬鹿々々しさを期待していたんじゃないだろうか?
私は、馬鹿々々しいことが大好きだから、こんな役だったら、いくらでもやってみたくなるが、エキストラに駆り出されたりする日本の人たちの中には、「日本人が愚弄されているような役」を嫌がる人もいる。
エキストラではなく、トルコでプロの女優として大活躍されている高野あゆみさんは、日本人に対する先入観や偏見を助長するような動作の演技を要求されても、応じなかったりするそうだ。
外国で日本を代表して活躍する人の矜持を感じてしまうけれど、応じていれば、役はもっと増えていたかもしれない。もっとも、そこまでして仕事を増やす必要なんてないのだろう。


レストランで悶絶する日本人

私の役柄は、ホテルの社長という設定で、ちょっとした奇縁により、入社したての若い女性を、カスタマーリレーションシップ・マネージャーに抜擢する。そして、彼女と夫の料理長からケバブの大接待を受ける。
ところが、ケバブを食べ過ぎたのか、社長は突然悶絶して気を失ってしまう。困り果てた若夫婦は、失神社長をこっそり裏口から連れ出して病院に運ぶが、それをライバルの女性に見られてしまう。
首を覚悟した若夫婦は、自ら身を引こうとしたけれど、失神社長、実は虫垂炎で、病院に連れて行かれたお陰で助かり、逆に感謝されるという話。


救われた悶絶男

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