メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

15~6歳でピークを迎えてしまう競技の有り方

フィギュアスケートザギトワ選手の引退騒動では、15~6歳でピークを迎えてしまう競技の有り方に疑問を唱える声も聞かれた。
これに私は、20年ほど前、イスタンブールで出会った日本人青年の話を思い出した。当時、20歳ぐらいだった青年は、滞在しているスペインから休暇を利用してイスタンブールへ観光に来たという。
彼はオートバイで山を登ったりする競技(多分、トライアルという競技)の選手で、15歳だかの時に単身スペインへ渡ったらしい。以来、競技の先進地域であるスペインで修業に励んで来たようだ。
それで私が「これから楽しみだね」みたいなことを言ったら、「いやあ、もう駄目でしょう」といったような反応を見せて笑った。なんでも、その競技は20歳ぐらいで早くもピークを迎えてしまうため、その年齢で勝ち残っていなければ、最早将来は無いと見て良いのだそうである。
しかし、青年は「お陰でスペイン語が解るようになったので、今度はこれを活かしたい」などと陽気に語りながら、落ち込んでいるような様子は全く見せていなかった。
今、40歳ぐらいになっているはずだが、何をしていらっしゃるだろうか? コーチなどで未だその競技に関わっているかもしれないし、あるいは事業でも起こして大成功しているかもしれない。彼が異国で厳しい修業に励みながら勝ち得たのは、なにも語学に限らないはずだからだ。
話題になっているフィギュアスケートの選手たちも同様だろう。彼女たちの精神世界は、私の如きぼんくらには理解できない高みに達しているような気がする。挫折があったとしても、またそれを乗り越えて行くに違いない。