メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ベネズエラのマドゥロ大統領にCNNトルコがインタビュー

ベネズエラの情勢、日本の多くのマスメディアの報道では、軍事クーデターによって今にもマドゥロ政権が転覆するかのように伝えられていたけれど、マドゥロ政権はなかなか粘り強く持ちこたえている。
しかし、トルコの政府寄りメディアは、グアイド氏が暫定大統領に就任した時点で、「軍部の支持が得られれば、マドゥロ政権は当面持ちこたえる」と分析し、その後、早い段階で、「軍部の主流が政権を支持したため、軍事クーデターの可能性はない」と報じていた。
また、アメリカのTBSとの合弁によって運営されているCNNトルコのニュースキャスター、ジュネイト・オズデミル氏は“5N1K”という持ち番組で、1月27日にマドゥロ大統領へのインタビューを公開している。
 
オズデミル氏によれば、これは事件勃発後、国外メディアによる初めてのインタビューだったという。オズデミル氏は、2月2日の番組で、その舞台裏を明らかにしているけれど、このインタビューは、カラカス駐在トルコ大使の仲介によりやっと実現に漕ぎつけたそうである。
どうやら、マドゥロ政権支持を逸早く表明したエルドアン大統領との友好が、マドゥロ大統領サイドに巧く作用したらしい。
とはいえ、CNNトルコもオズデミル氏も、どちらかといえば、エルドアン大統領に批判的な姿勢で知られている。これにマドゥロ大統領サイドは難点を感じなかったのだろうか?


舞台裏を明らかにしたこの2月2日の番組では、オズデミル氏がマドゥロ大統領に、米国務長官から独裁者呼ばわりされたことへの感想を尋ねた直後、突然、ベネズエラ情報部の長官がカメラの前に割って入り、インタビューを中断させたシーンも公開されている。(12分40秒頃)

情報部長官は、オズデミル氏へ、「あと2つだけ質問してよい」と迫り、これにマドゥロ大統領が介入して、3つの質問が許されたらしい。そして、マドゥロ大統領は、自らカメラに向かって「アクション!」と声をかけて、インタビューの再開を促し、なかなか愛嬌のあるところを見せている。(13分20秒頃)
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