メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

速攻の技巧派

「1951年頃の東京」のセットで会った顔なじみのモンゴル人青年が、いきなり「おめでとうございます!」と握手を求めて来たので、何事かと思ったら、「日本人の力士が優勝したじゃないですか」と言う。
そういえば、昨年、「琴奨菊」が優勝した後も、撮影現場で顔を合わせた際、彼は同様に祝ってくれた。
しかし、私は贔屓力士に、「速攻の技巧派」という選り好みはしているものの、出身地は全く拘っていないから、「祝ってくれなくても良い」と伝えてあったはずだ。
今回も、またそれを繰り返したところ、彼はようやく思い出したらしく、「でも、日本の人たちの多くは喜んでいるでしょう」と言いながら笑っていた。
ところで、私が好きな「速攻の技巧派」とは、がっぷり四つに組んだら力負けしてしまうため、速い攻めで一気に勝負をつけようとする技巧派であり、いくら攻めが速くても横綱白鵬」はこの範疇に入らない。
そして、今でもその相撲を懐かしく思い出す「速攻の技巧派」は、何と言っても「北の富士」と「三重ノ海」の両横綱、相手に力を出させない華麗な速攻は本当に格好良かった。
千代の富士」は別格として、「朝青龍」も大きい力士にはがっぷり四つになると力負けするから、気迫の速攻にかけていたような気がする。
現在の横綱大関陣の中では、「鶴竜」「豪栄道」「日馬富士」が、最も華麗な「速攻の技巧派」じゃないだろうか。残念ながら、「稀勢の里」は余りにもどっしりとした安定感があるので、ちょっと贔屓力士とは言い難い。
新鋭力士としては、「高安」に注目しているけれど、やはりがっぷり四つに組んで勝つ安定感はなさそうだから、ファンはいつまでもハラハラドキドキさせられると思う。そこが「速攻の技巧派」の魅力である。
もちろん、贔屓力士に限らず、それぞれに異なる個性があって、嫌いな力士などいるわけがない。
最近は、取り組みから1時間もすれば“YouTube”にアップされているので、結果を知る前に観戦することができる。本場所がますます楽しみになってきた。

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