メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

恋人たちの日の妄想

もう30年ぐらい前に聞いた話だけれど、日本のホテル業界では、バレンタインデーやクリスマスイブに、大幅な過剰予約を受けておくのが常識になっていたらしい。
ホテルで彼女と甘い一夜を過ごそうと予約しておきながら、結局キャンセルしなければならなくなる男たちが余りにも多いからだという。
トルコの状況は良く解らないが、「恋人たちの日」に、リゾート地のホテルなどでは、もう似たような現象が起きているかもしれない。
男の淫らな下心と叶わぬ夢は、おそらく世界の共通事項じゃないだろうか?
バレンタインデーだからと、連れ立って“純愛映画”を観に行き、ストーリーなんて上の空のまま、ひたすらエロい妄想に耽った挙句、映画館を出たところで、チョコレートだけもらってサヨナラとなり、腹いせに、それを全部食べてしまって鼻血を吹く・・・。
しかし情けないことに、そうやって鼻血を吹くのも、私にとっては妄想の一つに過ぎず、実際は、段階を経て映画館へ辿りつくのも難しかった。
また、「下ネタ話が好きな男は、むっつり助平じゃない」とか良く言うけれど、あれは真っ赤な嘘だ。私のように絶えず頭の中で妄想を繰り返していると、下ネタの冗談ぐらい、いつでも溢れる泉の如く口から流れ出てきてしまう。
特に意中の女性と同席したりすると、照れ隠しに下ネタを連発して、そこで終わりになる。だから、義理チョコさえもらえなかった。
これは、本人から直接聞いたわけじゃないので、未だに半信半疑だが、昔、以下のような話を聞いた。
ある友人は、20代の頃、初めて彼女を紹介されて、一緒に喫茶店へ行ったものの、何を話したら良いのか解らず黙っていると、しびれを切らした相手の女性に、「週末はどうやって過ごしていますか?」と訊かれ、正直に「はい、ソープランドに行ってます」と答えて、席を立たれてしまったそうだ。
友人たちが作った笑い話かもしれないけれど、彼はそのぐらいやりかねなかったような気もする。多分、同じ状況に置かれたら、私も同じことをやったと思う。彼女を紹介されなかったのは幸いだった。
とはいえ、「バレンタインデー」だの「恋人たちの日」だの、美しい言葉で飾り立てても、男たちが妄想しているところは、大して変わらないはずである。それを現実に対応させて、どう処理して行くかの違いだろう。
現実的に処理できる奴は、女性をたぶらかすのも巧ければ、業務上の交渉力にも長けている。「女に手が早い男は仕事も早い」というの俗説は、残念ながら正しい。
自分で言うのも変だが、巧く処理できない私は、何をやっても的から外してばかりいる。こんな男に大事を任せたら大変だ。
そのため、国政を任せるのだったら、やはり女性に手が早いか、結婚そのものが早かった男に限る。その気はあったのに、30歳過ぎても彼女がいなかったというのは、ちょっと考えてみた方が良さそうである。
大統領にはなれなかったが、ヒラリーさんも、若い頃から男あしらいは巧かったように思える。トランプさんの力量は、この観点からすれば、疑いの余地もないだろう。
私は、韓国やトルコで、やたらに重厚な政治家たちを見て来た所為か、一国の宰相としては、安倍さんが何だか軽そうに見えて仕方ないけれど、日本にはトップダウンで事を押し進めて行く風土もないし、あれほどチャーミングな昭恵夫人をたぶらかしてしまったのだから、なかなかやり手であるかもしれない。

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