メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

糖質制限の問題点

日本では、糖質制限の流行により、「ご飯が悪魔になってしまった」とまで言われているそうだが、実践者はどのぐらい増えているのだろう?

トルコにも、テレビ等のメディアで、糖質制限を熱心に勧める識者はいるらしい。しかし、今のところ、流行するような気配は全く見られていない。それに、実践者が多少増えたとしても、トルコでピラフやパンが「悪魔」になったりする恐れはないと思う。

実践者の私に言わせると、糖質制限に問題があるとすれば、それは「美味しくない」という点に尽きる。トルコの人たちにとっては、これが実践を諦めさせる大きな要因となってしまうに違いない。

日本でも、この問題はそれほど変わらないはずである。お鮨屋さんで、ネタだけ食べる人が話題になっているけれど、鮨はシャリと一緒に食べなければ美味しくないだろう。なんだか、ごく希少な例が、大袈裟に伝えられているような気がしてならない。

かつては、非健康的な食材として、「油」が目の敵にされていたものの、それで「油」が売れなくなって困ったという話も聞いていない。なんと言っても、「油」の足りていない料理は美味しくないからだ。

糖質制限も、結局、「美食」の欲求は抑えがたいため、一時的な流行に終わってしまうのではないか。ご飯やパンの業者さんも、あまり心配する必要はないような気がする。

私の場合、なによりも健康を重視しているから続けているだけで、アスリートのように健康状態の維持が「仕事」になっている人たちも同様だろう。

世の中、「健康」と「美食」を天秤にかけたら、間違いなく後者に振れる。糖質制限の実践者が一定の割合を超えることはないと思う。