メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

糖質制限

4月に一時帰国して以来、私も“糖質制限”を始めた。というより、姉が作る実家の食事が糖質制限食になっていたので、これに従うよりなかったのである。

糖質制限は、体内に吸収されてブドウ糖に変わる食品の全てを制限するので、甘い菓子類ばかりでなく、ご飯やパン、麺類といった炭水化物の多くも制限の対象になってしまう。そのため、実家では、毎日のように大豆から作られた料理をたくさん食べた。大豆の成分は殆どタンパク質で、炭水化物はいくらも含まれていないからだ。

他に、肉や魚、野菜による料理も増えて、トルコにいる時より、たくさんの肉料理を食べることができた。良く誤解されているけれど、糖質制限にタンパク質や脂肪は含まれていないため、タンパク質の摂取量は、制限を始める前に比べて遥かに増えたのではないかと思う。

実家では、これを今年に入って直ぐに始めたそうだが、何よりも母の調子が良くなったのは明らかだった。少しずつ進んでいたアルツハイマーによる記憶障害も僅かながら改善されているような気がする。

アルツハイマーは第三の糖尿病」という学説には非常に説得力が感じられる。母は甘い物が大好きだけれど、10年前からこれが解っていれば、アルツハイマーを患わずに済んだかもしれない。まさしく痛恨の極みである。

私も母がイスタンブールへ来ていた頃は、いつもトルコの極甘菓子を召し上がってもらって喜んでいた。無念としか言いようがない。

今では、姉がパルスィートなどの人工甘味料や“おから”を使った「糖質制限菓子」を大量に作って、たくさん召し上がってもらっている。糖質が殆ど含まれていないから、血糖値は上がっていないのに、人間の脳は人工甘味料の“甘さ”に誤魔化されて満足してしまうらしい。

私の体も糖質制限を始めて以来、なんだかとても調子が良くなって来た。一昨日も地下鉄オスマンベイ駅の長いエスカレーター脇の階段を駆け上がって、以前よりずっと楽に感じたくらいである。これは腕立て等の軽い筋トレを行っても同様だった。

もっとも、日本に滞在していた40日ほどの間に4キロ近く痩せているから、筋力がアップしたのではなくて、負荷が減っただけの話だろう。

しかし、この減量には殆ど苦しみが伴わなかった。糖質を制限しているだけで、食べる量が極端に減ったわけじゃないから、あまり空腹感に悩まされることもなかったのである。

それどころか、腹がもの凄く減っても良い時間に、不思議なくらい空腹を感じなかった。良く解らないが、血糖値の変動が抑えられることにより、それほど空腹を感じなくても済むようになるらしい。

私の場合も、ダイエットではなく、この体調の良さを維持するために、なんとかイスタンブール糖質制限を続けてみたい。その為に、大豆を手に入れようとしていたのである。

大豆は、エジプシャンバザールの辺りで売っているという情報を聞いたので、来週また出かけてみるつもりだが、これまでにも“黒豆”と、どういうわけか“炒り大豆”が見つかっている。ステビアという人工甘味料仕入れて、いよいよ準備が整ってきた。


糖質制限については、以下の記事をご参照下さい。この学説が何処まで正しいのか、専門的な知識のない私には良く解らないけれど、少なくとも母と私の体調は良くなっています。

人類史からひもとく糖質制限
http://mainichi.jp/premier/health/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%B2%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%8F%E7%B3%96%E8%B3%AA%E5%88%B6%E9%99%90%E9%A3%9F/