グーグルアースのストリートビューには、治安上の問題はさておき、プライバシーの侵害という議論もあるそうだ。
確かに、日本では各都市の路地裏まで詳細に写されていて、ちょっと驚くような光景も目にすることができる。
以下の写真など、「いったい何処のスラム街か？」と思われるかもしれないけれど、ここは大阪の西成区である。
「三角公園」と呼ばれる萩之茶屋南公園前の路上だが、この辺りを中心にして、阪堺電車の今池駅から南海の萩之茶屋駅にかけての街区は、なかなか凄まじい。知らずに足を踏み入れたら度肝を抜かれてしまうのではないだろうか。一帯は「あいりん地区」の名称でも知られている。
私が友人の案内で初めてここを訪れたのは、２００３年だったと思う。１９９６～９８年にかけては、大阪で暮らしていたのに、一度も来たことがなかった。
ストリートビューがいつ撮影されたのか解らないが、２００３年当時はもっと凄まじかったような気もする。萩之茶屋駅の前には「大小便を禁ず」と大きく書かれた板が掲げられていたけれど、それが満更冗談とも思えない雰囲気が辺りに漂っていた。
現代社会の様々な矛盾が、ここへまとめて吹き出されているように感じられた。なんとも月並みな表現で申し訳ないが、巧く言い表せないぐらいショックは大きかった。
