メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

エミノニュ~カラキョイ

今日は、気温が急に15℃ぐらいまで上がって、妙に生暖かった。朝、外へ出たら、吹いて来る風が、何だか人工的に温められた暖房機の送風のように感じられた。
バスと海峡横断地下鉄マルマライを乗り継いでシルケジ駅に着き、エミノニュの船着き場前に出ると、黒い雨雲を背にしたイエニ・モスクとスレイマニエ・モスクが日の光を浴びて輝き、何とも奇妙な光景を描き出していた。
それから、ガラタ橋を渡って、今日の目的地である“カラキョイ”に向かった。カラキョイにある「ロシア正教の教会」でクリスマス・ミサを見学してみようと思ったのだ。
ロシア正教は、ユリウス暦を使用しており、ユリウス暦では、今日(1月7日)が12月25日に当たるという。
教会は、カラキョイの古い雑居ビルの最上階にあって、ビルの入り口には何の表示もないから、とても解り難い。私は15年ほど前、「アトラス」という雑誌の記事を頼りに、この辺りを随分探し回って、やっと見つけることが出来た。
「アトラス」の記事によれば、オスマン帝国時代の19世紀末、正教の聖地であるギリシャのアトス(当時はオスマン帝国領内)などを訪れるロシア人正教徒らにとって、イスタンブールは重要な中継地になっていたようである。
そのため、カラキョイにいくつか教会が作られ、雑居ビルはロシア人正教徒の宿泊施設等としても利用されていたらしい。
今日、教会に来ていたモルドバ出身の青年に訊いたところ、現在、常時ミサが執り行われているのは、この教会だけであるという。教会の窓から、向かいの雑居ビルを見ると、ビルの屋上には、やはり十字架が飾られたドームが見えるけれど、その下にある教会でミサは執り行っていないそうだ。

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