メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イラン人の礼拝所

昨年は、イスラム暦ムハレム月の10日目“アーシューラー”の日に、アタテュルク空港に近いハルカル地区で催された盛大なアーシューラーの行事を見学してきた。
シーア派の人々にとってアーシューラーの日は、西暦680年のこの日に、イマームフサインが“カルバラーの戦い”で殺害されたため、“フサインの殉教”を哀悼する特別な日となっている。

 今年は、昨日(10月23日)がアーシューラーの日だった。それで、雨がちらつく冴えない天気の中、朝から旧市街のベヤズィットにあるシーア派の礼拝所を訪れてみた。入口には「ヴァリデ・ハン・イランルラル・メスジディ」と記されている。“イラン人の礼拝所”といった意味である。
10年ほど前、私はイラン人の友人に案内されて、この礼拝所でイランの料理を御馳走になったりしたけれど、当時は、旧市街の入り組んだ路地裏の何処をどう歩いて来たやら、それさえ良く解っていなかった。
その後、再び訪れる機会はなかったが、今年の4月、神のお導きでもあったのか、また訳も分らないままここへ連れて来られた。
昨年のアーシューラー以来、ネットでいろいろ検索しながら、この礼拝所を探していたので、とても嬉しかった。今年のアーシューラーには、是非ここを訪れてみようと思った。それが昨日かなったわけである。
しかし、10年前と異なり、礼拝所で知り合ったのは、アゼルバイジャンから来た人たちばかりだった。哀悼の詩を朗唱した人も、礼拝を執り行った導師もアゼルバイジャン人のようである。イランの人たちは何処へ行ってしまったのだろう?
それに、導師以外の人たちは、皆一様に黒っぽい服を着ていただけで、頭にターバン巻いたり、鉢巻したりする人もいなかった。女性の姿もなかった。
昼過ぎたら、堂内は一杯になったが、もともと余り大きな礼拝所ではないため、昨年のハルカルに比べたら、それほど熱狂的な盛り上がりも感じられなかった。もっと独特な雰囲気を期待していたから、ちょっとがっかりした。

f:id:makoton1960:20191008140913j:plain

f:id:makoton1960:20191008140948j:plain

f:id:makoton1960:20191008141005j:plain