メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イーテウォンのモスク

帰途、ソウルに到着した翌日が金曜日だったので、イーテウォンにあるモスクへ金曜礼拝の様子を見に行ってきた。このモスクの由来については良く解らないが、形状からして、トルコのモスクとは大分違うような気がする。東京ジャーミーのように、トルコの文化を紹介する施設が付属しているわけでもない。
礼拝が終わって出てきた人たちが、それぞれに集まって談笑している所へ近寄ったりしながら、暫く歩き回って見たけれど、結局、トルコ語の会話を耳にすることはなかった。
98年、やはり金曜日に訪れた時は、ここで多くのトルコ人留学生と出会ったくらいだから、今回も間違いなくトルコ人の参拝者はいたはずだが、あまりにも人が多過ぎたため、却って出会うチャンスがなかったのではないかと思う。
この10数年の間に、インドネシアパキスタンから働きに来る人も多くなり、ソウルに居住するイスラム教徒の数は飛躍的に増えているのかもしれない。
モスクの周囲に、イスラム関係の商店なども沢山出来ていて、辺りは”イスラム街”といった様相を成していた。
ハラール認定を謳う飲食店であるとか、イスラム図書館というのもあった。トルコの国旗を掲げた菓子店や飲食店をいくつも見かけた。モスクには、トルコの人たちも大勢礼拝に来ていただろう。
90年だったか、ソウルを訪れた際、すでにトルコ語の学習を始めていた私は、何処かでトルコの人たちと出会える機会はないものかと思い、在ソウルのトルコ大使館へ行き、窓口に出た韓国人の職員に、「イーテウォンのモスクには、トルコの方たちも来られますか?」と尋ねたところ、次のような答えが返って来て驚かされた。「トルコの人たちは文明化されていますから、モスクへ行って祈ったりしません」
そういえば、当時は、東京のジャーミー(モスク)も、以前あったモスクが取り壊されて更地になったまま再建の目途も立っていなかったらしい。

その頃、東京にいたトルコ人の友人たちは、何度かトルコ大使館から駆り出されて、その更地になっていたトルコ大使館が所有する地所へ、モスクを再建しようとしないトルコ政府を非難する落書きを消しに行ったことがあるそうだ。

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