メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

大変なバス旅行

ラマダン明けのバイラム(祝祭)中は、帰省客であらゆる交通機関が混雑するため、何処へも出かけない慣わしだったが、今年は思い切って、黒海地方のサムスン、そしてユンエを訪れることにした。
それで、当日になってからでは、とてもバスの席が見つからないだろうと考え、一応、一週間前にサムスン行きのチケットを求めようとしたが、ウルソイ等いつも使っているバス会社は何処も完売で、メトロというバス会社の夜行便をやっと押さえることができた。バイラム前日(16日)の夜11時半に出発し、翌朝10時にサムスンへ到着するという。
メトロはこの15年ぐらいで急成長を遂げたバス会社で、今や業界最大手と言って良い。サムスン県の出身という創業社長は、未だ50歳にならないくらいだろう。いろいろ黒い噂の絶えない立志伝中の人物である。
なんでも、小学校を卒業して、直ぐにイスタンブールのバスターミナルでチャイの配達係りとして働き始め、免許が取れる年齢になると、まずはバスの運転手になり、それからバスを1台購入して自分の会社を興し、これをどんどん発展させて、遂には業界最大手にのし上がったらしい。まあ、相当無理してきたのは間違いないはずだ。
16日の夜も、メトロの自社バスターミナルに着いたら、その強行な営業姿勢がうかがえるような気がした。ターミナルは旅客で溢れかえり、サムスン行きのバスが何処に停まっているのか、探し歩くのもままならない状況である。受付カウンターで尋ねようとしても、カウンターの前は黒山の人だかりで近づくことさえ出来ない。
やっと人だかりをかいくぐって、カウンターに近づいて尋ねたところ、もう11時40分を過ぎているのに、バスはまだターミナルに入って来ていないそうだ。隣にいた旅客は、「キャパシティーを超過して便数を増やしたから、こんなことになるんだ!」ともっともな理由で係員に詰め寄っていたけれど、係員もこのぐらいのクレームは慣れたものらしく、全く堪えた様子も見せなかった。
結局、バスは1時間半遅れでターミナルを出発したが、サムスンには1時間遅れの11時には到着していたのだから、首尾はそれほど悪くなかったかもしれない。多分、メトロ社が無理に便数を増やしてくれなかったら、私はこうしてサムスンに来ることが出来なかったと思う。
途中、ドルトディヴァンという所で、30分の食事休憩があったけれど、このメトロ社専用のサービスエリアも、夜中の4時半という時間が信じられない大賑わいで驚かされた。停まっているのは、全てメトロ社のバスなので、バスの番号などを確認しておかないと、自分のバスに戻るのも難しいような気がした。
実際、一人の旅客が席に戻っていないというので、バスは15分ほど待って、アナウンスしたり、係員が探し歩いたりしていたが、それでもこの旅客が姿を現さないと、『おそらく他のバスへ間違って乗って行ったに違いない』なんて勝手に結論付けてバスは出発してしまった。酷いもんである。あの旅客はいったい何処へ行ったのだろう? 

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