メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

サッフォーの詩

ボズジャ島の催し、今年はギリシャ領のレスボス島が見渡せる“アヤズマ”の海岸で、「サッフォーを読む会」になった。
土曜日に、主催者のハールク・シャーヒンさんから、「サッフォーの詩の日本語訳で知っているのがあったら読んでくれないか・・・」と頼まれたけれど、その時は何も思い当たらなかったので、「インターネットで調べてみます」とお答えした。
サッフォーの名は、高校時代に夏目漱石の“三四郎”を読んで以来、知っていたものの、詩については、長い間、興味を懐くこともなかったのである。
しかし、インターネットで検索してみたら、「夕星(ゆうづつ)」という詩が出てきて、あっと思った。この短い詩なら、殆どそらで詠めるくらい良く知っていたからだ。
3年前の「ホメロスを読む会」には、日本から詩人の高橋睦郎さんと作家の澁澤幸子さんもいらっしゃった。この時、高橋さんがお話になった幾つかの詩の中に、「夕星(ゆうづつ)」があった。とても印象深かった所為か、詩はそのまま記憶に留めたけれど、作者がサッフォーであることは直に忘れてしまったらしい。
日曜日は、皆さんの前で、この経緯を話してから「夕星(ゆうづつ)」を詠んだ。
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夕星は
かがやく朝が散らしたものを
みな連れかへす
羊をかへし
山羊をかへし
幼な子をまた母の手に
連れかへす

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