メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

クリミア・メモリアル教会

ヨーロッパ側、ベイオウルのテュネル近くにあるクリミア・メモリアル教会。クリミア戦争を記念して、イギリスの人たちにより、1868年に創建されたという。
会衆の減少により、一時期、閉鎖されていた時期もあるそうだが、現在は英国国教会により、日曜日のミサが執り行われている。このミサに、司祭さんは、英国領事館の公用車で乗り付けるらしい。国教会の首長は、英国国王なのだから当然かもしれないが・・・。
6月の中旬、イスタンブール在住の日本人クリスチャンの方の案内で、私もミサを見学することができた。
ミサでは、英国の古い賛美歌もいくつか歌われ、特にトマス・タリス(Thomas Tallis)という作曲家の調べが、なかなか美しかった。いつだったか、「ビートルズの源流は英国の教会音楽にある」という話を聞いたことがあるけれど、何だか納得させられたような気もする。
案内して下さったクリスチャンの方は、トルコにいると、クリスチャンに対する偏見が感じられないと話していた。日本では少なからず感じられるそうだ。
確かに、私も含めて多くの日本人が、クリスチャンに限らず、宗教全般に対して、ある種の偏見を懐いているかもしれない。「宗教を熱心に信じている人=少し変わった人」という認識が結構はびこっているのではないだろうか?
トルコでも、こうして宗教全般(イスラムも含む)に偏見を懐く人は、ラディカルな左派・政教分離主義者の中に、僅かながらいるかもしれない。しかし、保守的で敬虔なムスリムの間では、クリスチャンに対する偏見も却って見られないだろう。イスラムでは、クリスチャンも“啓典の民”に数えられているからだ。
しかし、その日本人クリスチャンの方も、トルコへ来る前は、多少なりともイスラムに対して誤解があったと言う。そして、「我々クリスチャンが、こういった誤解を解くために、率先して動かなければならない」と明らかにしていた。
非常に感銘を受けたが、私のように偏見の多い人間は、特に考えてみなければならない提言だと思う。


T. Tallis - Glory To Thee, My God, This Night - Cappuccinis

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