メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

抱擁・無料!

抗議デモ騒動の経緯、日本でも大袈裟に報道されていたようだから、皆さん御存知ではないだろうか。
エルドアン首相は、工事の中止を求めていた訴訟に対する裁判所の決定を待ち、尚且つ住民投票を行うと譲歩を示したが、一部のデモ隊がそれでも公園を占拠し続ける構えを見せると、躊躇うことなく強制撤去に踏み切った。
この辺のさじ加減は良く解らないが、その後、事態は沈静化へ向かっているため、エルドアン首相の決断に大きな間違いはなかったかもしれない。抗議デモ側は、譲歩を受け入れ速やかに退去していれば、完全な勝利と言えたのに、ラディカルな反応を見せて、イメージを悪くしてしまったように思う。
私は、この問題が長引いたり、拗れたりした場合、“クルド和平”の展開に影響が出ないかと、そちらの方が心配だった。今、アナトリア東部地方の各拠点から、PKKの兵士たちが静かに国外への退去を続けているらしい。
こちらは、公園のテントを片付けて退去したり、抵抗して放水車や催涙弾に立ち向かったりするのとは訳が違う。数十年に亘って本物の戦争をしていた。そして、多くの人たちが命を失った。
エルドアン首相の強い指導力・政治力がなければ、“和平交渉”はこの段階にまで辿り着けなかったに違いない。それを“独裁者”だなんて・・・。軍を完全に掌握し切っていない首相の何処が“独裁者”なのか?
未だ、タクシム広場や各地で、「黙って立って抗議する人たち」がいて話題になっているけれど、いつまで続くやら・・・。 私はあれを見て、廊下や職員室によく立たされていた小学校の頃を思い出してしまった。教室から机ごと廊下に放り出されていたこともある。
昨日、カドゥキョイでは、「抱擁・無料」と書かれたプラカードを掲げて、道行く人たちと抱き合う男女がいた。これも自由の抑圧に対する抗議の一形態らしいが、こんなものに何か意味を見出す必要があるんだろうか? まあ、平和で結構なことだが・・・ 

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