メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスタンブールの夏と“アラブの春”

イスタンブールは、今週に入って急に涼しくなった。先週、観光客でごった返すスルタンアフメットを汗かきながら歩いていたのが嘘のようだ。今年の夏はもう終わってしまったのか・・・。
しかし、あの暑い最中に、スルタンアフメットの広場を埋め尽くしていた観光客の忍耐力も大したものだと思う。一週間遅らせて来れば良かったのに・・・。特にアラブ圏から来たと思われる女性たち、顔までベールで覆った黒装束は見るからに暑そうだった。
彼女らはレストランで食事する際もベールを外さない。注意して見たら、左手でベールを下からめくり、右手のスプーンやフォークを口元へ持って行くのである。あれで美味しく感じられるのだろうか?
亭主たちの方を見ると、これが結構涼しそうな格好をしている。
92年の夏に始めてスルタンアフメットへ来た時は、白い布を頭から被ったアラブ風の装束で歩き回っている男たちがたくさんいたのに、98年、4年ぶりに戻って来たら、その姿が余り見られなくなっていた。
それで、『アラブの旅行者は少なくなったのか』と思っていたけれど、この数年、わりと小ざっぱりした服装になった彼らが、黒装束の奥方たちを連れて来るようになって、やっと、少なくなったのではなくて服装が目立たなくなっただけらしいと気がついた。でも、それが今度は奥方たちの所為でまた目立つようになってしまった。
自分たちは半袖シャツにジーパンと随分身軽になったのに、奥方には未だベールを被らせているなんて如何なものかと思うが、彼女たちが海外旅行へ出られるようになっただけでも目覚しい変化と言えるかもしれない。これが“アラブの春”なのか・・。
しかし、このアラブの連中、礼儀を弁えず周りが迷惑していても知らん顔なのは、どうしたことだろう。彼らの宗旨は、女性にベールを被せることは教えても、礼儀は教えていないのかと言いたくなった。