メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

オザル大統領

1993年の4月17日にオザル大統領が亡くなってから、既に18年が過ぎました。

私は、このオザル大統領をイスタンブール市内で見かけたことがあります。92年頃じゃなかったでしょうか。

乗っていた市バスが、ベシクタシュの船着場前でゆっくり左に曲がったところ、向こう側から来たベンツも曲がり角でスピードを緩め、運転している人の顔が明らかになると、バスの乗客が数人、「あっ! 大統領だ!」と口々に言うので、私もそのベンツの運転手を注視したら、それは紛れもないオザル大統領だったのです。

オザル大統領の顔は少し微笑んでいるように思えましたが、ベンツは直ぐに走り去ってしまい、隣に座っていたのがセムラ夫人であったかどうかも確認できませんでした。しかし、オザル大統領自身がハンドルを握っていたのは確かで、ベンツの後ろを1台警察のバイクが追いかけて行った他に、護衛の車両などもなかったように記憶しています。

翌日、新聞を見てまた驚かされました。「大統領、またもや記録を塗り替える! ベンツを運転してイズミットの某所を出たのが、○時○分。アクセルを踏み込んでスピードを上げ、○時○分、イスタンブールのオルドゥエヴィ(軍の施設)に到着。その間、僅か○時間○分!」といったような記事が載っていたのです。

当時、オザル大統領がスピードを好み、大統領になってからも、度々、ハンドルを握っていたのは、巷に知れ渡っていました。

88年、日本の企業グループによって、ボスポラス海峡の第二大橋が完成すると、未だ首相だったオザル氏は、開通式の先頭車両を自ら運転したそうです。この時、日本トルコ友好議員連盟の会長だった金丸信氏が、その車に同乗していたという話を何処かで聞いたことがあったので、今、ネットで検索してみたけれど、そういった記事は出てきませんでした。