メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ロシア教会

日曜日、上記のロシア教会へ久しぶりに出かけてみました。4~5年ぶりだったような気がします。
11時頃、ミサの最中に訪れたところ、復活祭期だからなのか、あまり広くない礼拝堂に収まりきらない人たちが、廊下に並んで祈りを捧げなければならないほどの賑わいでした。
復活祭前の火曜日に、イスティックラル通りのレボンという洋菓子の老舗を覗いたら、店頭にギリシャ文字だかロシア文字の記された貼紙があり、円筒形のパウンドケーキのような菓子が並べられていたので、『何だろう?』と思って店員さんに尋ねてみると、それは“クリーチ”という、復活祭の日にロシア正教徒たちが食べる菓子なんだそうです。「この辺にはロシア人がたくさん住んでいますから・・・」と話していました。ひょっとすると、4~5年前に比べて、イスタンブールに住むロシア人は増えているのかもしれません。
教会では、ミサが終ってから、ナターリアさんという45歳ぐらいのロシア人女性にお話を伺う機会がありました。トルコ人の御主人と二人の子供を連れて来ていたナターリアさんはモスクワの出身、きれいなトルコ語を話す教養が感じられる女性です。東京の御茶ノ水にあるニコライ堂の由来についても良く御存知でした。
「このミサには、ロシア人じゃない方もいらっしゃいますよね?」と訊いてみたところ、「ええそうです。ウクライナ人やモルドバ人、グルジア人など、ソビエトを構成していた民族は皆来ていますよ。ソビエトはバラバラになってしまったけれど、ここでは皆一緒です。国家は争っていても、人民は仲良くしていますね」とナターリアさんはにこやかに答えていたものの、これにはちょっと首を傾げざるを得ませんでした。ミサに参列していたのは、ソビエトを構成していた民族というより“東方正教会に属する正教徒”じゃないでしょうか?
ウズベキスタン等のイスラム教徒はもちろん、カソリックウクライナ人や非カルケドン派アルメニア正教徒もここを訪れることはないはずです。ナターリアさんは信仰に篤い正教徒でありながら、共産主義ソビエトに郷愁を懐いているのかもしれません。

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