メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

辞書を引け!

先日、6月22日の“便り”に、“乱痴気騒ぎ”と書かなければならないところ、『“らんちき”?“らんきち”?』と迷ったあげく、“乱キチ”とする大間抜けをやらかしてしまいました。

最初に“らんちき”と打って変換したら“羅んち器”と出てしまい、『あれっ、違ったかな?』と今度は“らんきち”で変換すると、一発で“乱キチ”と出たものだから、『漢字に変換できない俗語なのか?』と勝手に納得、辞書を引こうともしなかったけれど、昨日たまたま読んでいた本に“乱痴気騒ぎ”が出て来て、運良く間違いに気がついたのです。もしも、その本を読むのが1ヵ月先だったら、もう忘れていて気がつかなかったかもしれません。

それから、試しに“乱キチ”で検索を掛けてみたところ、なんと3番目に“メルハバ通信”がヒット。昨年1月の“便り”でも同じ失態を演じていました。他のヒットしたページを見ると、“乱キチ”が独自の造語として使われている例もあるようですが、私の場合は、そんな洒落たものじゃありません。単なる愚かな間違いの繰り返しです。

間違いの元は、“らんちき”で変換を掛けたからで、“さわぎ”まで含めて変換すれば、直ぐに“乱痴気騒ぎ”と出ます。言葉の成り立ちが解っていない悲しさと言えるでしょう。恥ずかしながら、私はこの悲しみを何度も味わって来ました。

ここで、恥かきついでに例を上げるならば、“一触即発”を“一発触発”とやらかしたこともあります。この時は、『欲求不満のため、一発やりたい妄想に取り付かれ云々』と言い訳したけれど、今、“一発触発”で検索したら、これまた沢山ヒットしました。世間には、同様の妄想に取り付かれている方が少なくないのでしょうか? 日本語は本当に難しいものだと思います。

そもそも、かつての私は国語辞典を引くという習慣を殆ど持ち合わせていませんでした。本を読んでいて良く解らない漢字熟語が出てきても、字面と文脈から意味を推量するだけで、そのまま読み流していたのです。この場合、漢字は字面を見ていると、ある程度意味が解ったように思えてしまうから、余計に始末が悪いかもしれません。私が曲がりなりにも国語辞典を引くようになったのは、89年に韓国留学から戻った後のことでした。

しかし、トルコの人たちを見ていると、トルコ語辞典を引く習慣のある人は余りいないような気がします。だいたい、書店の辞典コーナーを覗いたところで、それほど多種多様なトルコ語辞典が並んでいるわけではありません。大学生でも、経営学部等の学生であれば、英語の辞典は持っていても、トルコ語辞典は持っていなかったりするのです。まあ、こんな一発触発野郎に言われたくはないかもしれませんが・・・。