メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

同居人はチェルケズ人

ところで、同居している二人の青年なんですが、いずれもアナトリア南部のカフラマン・マラシュ出身で高校の同級生同士。

カフラマン・マラシュは、あの伸びるアイス「ドンドゥルマ」の本場としても有名でありますが、彼らはマラシュの元来の住人ではなく、コーカサス地方を故地とするチェルケズ人で、19世紀の終わり頃、曽祖父の代に移住して来て現在の村を築いたのだそうです。

村では今でもチェルケズ語が話されていて、先週私を追い出してくれた青年は、小学校へ行くようになってからトルコ語を勉強したのだとか。

もう一人の彼はチェルケズ人というものの、母親の方が同じコーカサス地方から移住して来たチェチェン人であり、チェルケズ語とチェチェン語ではお互い会話が通じない為に家庭でもトルコ語を使っていたうえ、父親の仕事の関係で、中学校を終えるまでイスタンブールで育ったことから、チェルケズ語は殆ど解らないといいます。

ふたりとも信仰心はいまひとつのようだけれど、現場では一生懸命に働いていたし、常識的でなかなか感じの良い連中です。

今も上記のことを、サロンでテレビを見ていた彼らにもう一度確認して部屋に引き上げたところ、少したってから、イスタンブール育ちの彼がわざわざ部屋まで入って来て、「チェルケズ人についてもっと詳しいことが知りたいのなら、この近くにもチェルケズ人の協会があるから、そこへ行って訊くと良いですよ」と親切に教えてくれました。

現大統領のセゼル氏がチェルケズ人であることは良く聞く話ですが、彼らによれば、第一野党CHPのバイカル党首や元首相のチルレル女史もチェルケズ人であり、政財界におけるチェルケズ人の活躍には目覚しいものがあるんだそうです。

私もトルコの新聞で「・・・軍情報部の幹部にもチェルケズは多い・・」という記事を読んだことがあります。

チェルケズ人は人口から見れば絶対的な少数派でしょうから、その活躍を彼らがことさら自慢げに並べ立てるのも無理はないかもしれません。

 

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