メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの美しい女性アナウンサーたち(ミリエト紙/レシャット・チャルシュラル氏の記事)

2004年4月2日付けのミリエト紙よりレシャット・チャルシュラル氏の記事を拙訳しました。チャルシュラル氏は、民放のニュース番組で活躍している美しい女性アナウンサーたちを、トルコに出現した新しいタイプの女性として歓迎しています。

****(以下拙訳)

民放のニュース番組に起用されている女性アナウンサーの殆どは、「モデル」と「公営放送アナウンサー」の中間といったところだ。というより、もっと「モデル」に近いかもしれない。

しかし、モデルと見紛うばかりの面があるとしても、モデルとの違いはもちろんある。

まず、極端に肌が露わとなるドレス姿で彼女たちを見ることはできない。言葉使いは正しいし、概して高学歴で、結構文化的な、本当の意味でモダンと言える女性たちだ。

そして、平均年齢が、モデルたちよりも、5歳ほど高い。

公営放送のアナウンサーとも違う。着飾っているし、とても魅力的で素敵な、女らしい女性だからである。

それに、アナウンサーとしても申し分がない。それどころか、大成功を収めている人たちもいる。ただ、美しさや優しさ、女らしさといったものが、アナウンサーとしての本業より遥かに目を引いてしまっているのだ。

彼女たちの虜になって、そのためにニュース番組を見ている男たちも多い。政治などに興味のなかった男が、この女性たちのお陰で、ニュース番組を見始めたことにより、政治通になったという風聞もある。

世界中のテレビ局を見ても、これほど女らしいニュースアナウンサーには、なかなかお目にかかれないと思う。

女らしいアナウンサーばかりでなく、女らしい報道記者のスターも、ここ2~3年で、急速に輝きを増してきた。

彼女たちは、醜い髭づらの男たちを取材する時はもちろんのこと、女性のタレントたちを取材しても、取材対象より目立ってしまうほどである。

女らしい報道記者(記者というよりコラムニスト・文筆業に転じてしまった人たちは除く)の生活スタイル、行きつけの場所、恋人たち、といったことに関する情報はない。知ったところで、大したものではないだろう。

何処にでもいる中から上クラスの高学歴イスタンブール女性と同じように暮らしているはずだ。

何故、こういった女性たちが出現するようになったのか? 

トルコのメディア、特に一部の雑誌が、本来ならエロティズムの対象とはならないメディアの女性スタッフまで、その対象にしようとした可笑しな傾向もその要因の一つに違いない。

この女性たちのことを、「少し文化的な味わいのセクシーなオブジェ」あるいは「インテリ向けのセクシーなオブジェ」として軽んじることも可能だろう。

彼女たち、特にコラムニスト・文筆業へ転じた人たちを見下すことは、フェミニストや高慢な女性文筆家にとって、またとない自己満足の方法であるように見える。

しかし、概してそんなに悪くない文化的な蓄積と、モダンでセンスの良い女らしさを併せ持つ彼女たちのことを、その素晴らしい兼備の面から見たほうが賢明だろう。

国家イデオロギーにより創造された、政教分離主義で飾り気のない、重厚でくそ真面目な女性の姿(公営放送の女性アナウンサーは正にこのタイプ)からも、左翼やインテリやフェミニストたちが理想とした女性の姿からも、ほど遠い彼女たちの姿が際立って来たことを、私たちは喜んで良いはずだ。

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