メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

隔世遺伝?

1970年代、アメリカにダニー・ロペスというボクシングの名チャンピオンがいたのですが、インディヤンの出身であるということで、いつもインディヤンの羽根飾りを被ってリングへ登場していました。
しかし、このダニー・ロペス選手の顔は、どう見ても普通の白人で、インディヤンらしいところは全くなかったから、「本当にインディヤンなのかな?」と思っていたところ、

この人の実兄で、やはりボクシングをしていたアーニー・ロペス選手の顔が雑誌に掲載され、それを見ると、こちらは如何にもインディヤンという風貌なので驚いたことがあります。

なんでも一族の中で白人顔をしているのはダニー・ロペス選手だけであり、生まれた時は村中でお祝いをしたのだそうです。「この子は蔑視されなくて済む」と言って。
要するに、隔世遺伝ということなんでしょうけれど、トルコでは至極当たり前なことで、別に騒ぐほどのことでもありません。
先月、タクシーに乗った際、かなり色の黒い運転手さん(パウエル国務長官のような感じ)から、「国はどちら?」と訊かれたので、私も興味津々に問い返したところ、「セラニク(ギリシャテッサロニキ)」という意外な答え。

運転手さんは、私が意外に感じるだろうと充分承知していたらしく、「そうは見えないでしょ?」と笑いながら付け足し、次のような話をしてくれました。

「不思議だけれど、私の娘は日本人のような顔をしているんですよ。それで『お前なら、日本へ行っても直ぐに溶け込めるな』と言ってからかうと、娘の方も『お父さんの場合はアフリカね』と言い返すから可笑しくなりますよ」。