諸事雑感
先週、世間は「即位の礼」の話題で持ち切りだったようだけれど、もともと余り興味のある分野でもないし、トルコの情勢が気になって、こちらのニュースには殆ど目も通していなかった。 だから、その批判の趣旨を良く理解しているわけじゃないが、「即位の礼」…
軍人は、現実を無視して戦争を始めた場合、真っ先に自分たちが死ぬことになるから現実的にならざるを得ない、とは良く言われるものの、戦前の日本の軍人たちは、果たしてどのくらい現実的だったのだろうか? 満州事変以降、日本軍は現実を見失って暴走したと…
「マッチ擦るつかの間の海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや」という寺山修司の短歌、私でも知っているくらいだから、広く人口に膾炙している詩なのだろう。音の響きも素晴らしいし、なんとなく情景が目に浮かぶようで、やはり相当な傑作に違いない。と…
大坂選手の全米オープン優勝を私はミーハー的に喜んでいたけれど、その後の論争を眺めながら、14年前にトルコのエムレ・アキョズ氏が書いたコラム記事を思い出した。 その記事の中で、アキョズ氏は、トルコ国籍を取得してトルコ代表となったエチオピア人陸上…
私は21年ほど前、長距離トラックの運転手を1年ぐらいやってみただけで、『これは敵わん』と意気地なく敗退してしまった。あの仕事には、毎日3時間ぐらいの睡眠でも持ち堪える体力と(当時は)制限速度60キロの国道を120キロでぶっ飛ばす度胸が必要…
セメント一袋が25キロと無理のない重さになって、非力な私は助かっているものの、50キロを軽々と持ち上げる人にとっては、扱いが面倒になっただけだろう。 3年ほど前、通訳を務めたイスタンブールの工事現場では、設計した日本の技術者が、取り付け等の…
今日、また雨で仕事がなくなってしまった。30数年前、川越で産廃のダンプをやっていた頃は、結構雨が降っていても、現場の作業はこれほど中止にならなかったような気がする。 これは私の記憶違いかもしれないが、当時と比べて、全般的に余り無理をしなくな…
この前、9月になったかと思っていたら、もう10月になってしまった。毎日、同じような日常が続くと、時間の経過が異様に早く感じられてしまう。思えば、昨年の今頃は、次から次へと色々な出来事が生じて、1ヶ月の間にたくさんの“思い出”が詰め込まれてい…
作業着を派手に汚してしまうのは、作業の手際が悪い証しでもあるから、もちろん自慢にはならない。また、日本の場合、製造や建設等の現場に作業着で入るのは、かなり一般的になっているものの、職種や場所によっては、スーツにネクタイが当たり前だったりす…
派手に汚れてしまった作業着は、洗濯しても元のようにはならない。泥はある程度落ちるものの、草の汁がこびりついたシミは、何かで染めたみたいに残ってしまう。洗濯する前の状態はなかなか凄かった。それが雨に濡れたように汗でびっしょりになったまま、コ…
血糖値と血圧の関係について、私がネットで少し調べてみただけだから、大して当てにもならないけれど、どうやらエルドアン大統領が失神してしまったのは、血糖値の急上昇により、インスリンが過剰に分泌されたため、今度は血糖値が急降下して低血糖症を催し…
昭恵夫人はともかく、さすがに安倍首相は、長い政治活動の中で、胡散臭い奴をたくさん見てきただろうから、直感もかなり働くんじゃないかと思うけれど、なんとなく、育ちの良さに由来する“人の好さ”が感じられて仕方がない。もちろん、育ちが良くても阿漕な…
1991年にトルコへ来てから、5人の大統領が就任しているけれど、各大統領夫人の顔は、今でも全て思い浮かべることができる。*訂正:オザル大統領は、89年から在任中だったので、91年以降に就任したのは4人の大統領。積極的な言動で、常に注目を集…
(3月16日) ミクシーに加入したのは、2006年の12月だから、以来、既に10年になる。その後、フェイスブックやらツイッターにも加入したけれど、私にとって最も有効なSNSは、ミクシーだったような気がする。 一時期は、本欄の駄文をミクシー日…
87年に語学留学したソウルの下宿で、部屋の片隅に「月刊文藝春秋」が山積みにされていた。以前に下宿していた日本人留学生が残して行ったそうである。 その「文藝春秋」に、石原慎太郎氏の連載エッセイがあり、私はそこで初めて石原氏の文章に接した。他に…
もしも、ベールで顔を隠さない女性の外出は絶対に許さず、写真や映像を伝える媒体も徹底的に排除すれば、その社会の男たちは、自分の妻や母以外に、女性の顔を認識できないわけだから、妻の容貌に不満を抱いたり、他の夫婦に嫉妬したりしないだろう。 もちろ…
もう30年ぐらい前に聞いた話だけれど、日本のホテル業界では、バレンタインデーやクリスマスイブに、大幅な過剰予約を受けておくのが常識になっていたらしい。ホテルで彼女と甘い一夜を過ごそうと予約しておきながら、結局キャンセルしなければならなくな…
フェアトレードという運動を、私は昨年辺りになって、ようやく教えてもらった。もう随分前から話題になっていたらしい。 チョコレートの原料となるカカオ豆は、アフリカや南米で生産され、その農場では、多くの児童が奴隷のように酷使されている例も少なくな…
先日、トルコの時事討論番組で、「戦後の国際秩序が云々」といったテーマを論じていた識者が、「戦後、日本は、アメリカから技術力を与えられたお陰で・・・」などと話していた。実際の歴史的な経過がどうなっていたのか、私には良く解らないものの、明治以…
「・・・狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし」と徒然草の 八十五段に記されていた。だからと言って、偽りで善を行う者まで「善…
雑誌か何かで読んだ話だけれど、日本のスポーツ選手の多くは、相手に反則があると、それを審判にアピールして防ごうとするものの、欧米の選手などは黙って同じ反則をやり返すという。これでは、なんだかスポーツの精神に反しているような気もするが、“スポー…
「売り手よし、買い手よし、世間よし」の“三方よし”という言い回しは、昭和以降に作られたそうだけれど、江戸時代から近江商人の心得として、そういった概念が伝えられてきたのは確からしい。 クズルック村の工場も、「地域還元」をモットーの一つに掲げて、…
(10月28日) 嫉妬やコンプレックスといった感情は、人が発奮して頑張る原動力になるとも言われている。負け犬根性が強くて、最初から引いてしまう私には、この感情が足りていないかもしれない。 幕末、アメリカから帰国して、将軍に拝謁した勝海舟が、…
西欧で最も早くから衰退が囁かれていたのは、英国じゃないかと思うけれど、意外にしぶとい。ノーベル賞がどのくらい判断基準になるのか解らないが、2000~15年までの科学3賞受賞者は14人を数え、7人のドイツを大きく上回っている。基礎科学の分野…
ギリシャとトルコの間を行ったり来たりしながら生活しているルムの人たちの多くは、当然、いずれの国籍も有しているのではないかと思う。ルムのスザンナさんと息子のディミトリー君も二重国籍者である。トルコでは、これに対して異議を唱える声など聞いたこ…
昨年の末頃、“YouTube”により、ドイツの農村で「豚の屠殺・解体」を取材した日本のドキュメンタリー番組を観た。 遠い昔、冬の寒さが厳しいその村では、秋の間にドングリなどを食べさせて太らせた豚を屠殺・解体すると、血や内臓も余すところなくソーセージ…
セブンイレブンなどのコンビニやスーパーで、『20歳以上ですか?』と確認するのは、もう3年ぐらい前から実施されているそうだ。どうやら、正月に来た時は、コンビニ等で酒類を買い求めたりはしなかったらしい。 しかし、3年も前から実施していたのでは、…
いつだったか、週刊誌か何かで田中角栄に関する記事を読んだ。20~30年前だったかもしれない。角さんと面識があり、その人柄を良く知っていると思われる記者が、かなり好意的に書いていたように思う。その中に、「田中角栄は時間に厳しい男だ」という件…
慰安婦の問題はなかなか書き辛い。20代の頃、私はそれこそ定期的にソープランドへ出かけていた。彼女のいない独身男としては、『まあ、しょうがないんじゃないか』と思っていた。韓国へ行っても、これは変わらなかった。日本に比べたら破格に安いので喜ん…
19世紀の末、西欧列強に抵抗したアフマド・オラービーというエジプトの政治家がいたそうだ。ウイキペディアの記述によれば、アフマド・オラービーは、明治維新による近代化の成功について、当時の日本には生糸ぐらいしか産業がなく、西欧列強にとって、ス…