メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

クルド

オジャラン氏のメッセージ・・・

最近の週末は、部屋に籠ったままネットでトルコの新聞記事を拾い読みして、ここに駄文を書いたりするだけで終わってしまう。何だか何処で暮らしているのか解らなくなる。しかし、やはりトルコのニュースは気になって仕方がない。 先週は、イムラル島の特別な…

トルコの地方選挙・クルド人の動向

4月3日付けハベルテュルク紙のコラムで、ハッキャリ県出身のクルド人ジャーナリストであるムフスィン・クズルカヤ氏が、今回の選挙におけるクルド人の動向を説明していた。要約すると以下のようになる。 1990年代、トルコ政府は、PKKの温床になってい…

少数民族の問題~西洋の悪い風

少数民族の問題がいつ頃から提起されるようになったのか解らないが、「少数民族」という概念も西欧の産物だったのではないかと思う。その少数民族の問題だが、日本のように殆ど同一の民族から成り立っていた島国の住人はもちろん、大陸でもドイツの人たちは…

クルディスタン

今月末に予定されているトルコの地方選挙では、「国の存亡」と共に「クルディスタン」という名称も争点になっているらしい。 クルド系政党HDPは「クルディスタン」に拘り、エルドアン大統領は「トルコに“クルディスタン”などという地域はない」と反論して…

シェレメーチエヴォ空港で出会ったトルコの人たち

帰国途中の22日、モスクワのシェレメーチエヴォ空港で、2人連れのトルコ人と出会った。ユスフさんとフルシットさん。彼らは、日本からトルコへ帰国する途中だそうである。両人ともガズィアンテプ県の出身、エスニック的にはクルド人であり、この17~18…

国民投票の結果

国民投票の結果について、少し周囲の人たちの見解を聞いてみた。 まず、スザンナさんは、票差が僅かだったことを残念がっていた。圧倒的な大差で反エルドアン派を黙らせたかったらしい。 一方、保守的なムスリムである近所の家電修理屋さんは、「余り大差が…

民族自殺?

北朝鮮の建国者である金日成が、1945年の9月、ソビエト軍と共に帰国するまでの前半生は、あまり明らかになっていないらしい。そのため、かつて韓国政府は、北朝鮮をソビエトの傀儡政権と見做して、「北傀」と呼んだりしていた。しかし、韓国で初代大統…

トルコを取り巻くテロの脅威

(3月27日) トルコの多くの人たちが、欧米に対して激しく憤っている最も大きな要因は、PKKやギュレン教団といったテロ組織が、欧米で相変わらず庇護されている状況にあるのではないかと思う。 先日、スイスのベルンでは、公然とPKK支持者らがデモ…

クルド問題とAKPのジレンマ

(3月25日) 憲法改正の国民投票で、AKPとMHPの票が集まった場合、軽く60%を超えてもおかしくないけれど、MHPからは相当な離反票が出るのではないかと言われている。一方、AKP側にも、賛否を未だ決めかねている支持者は少なくないらしい。…

シムシェク副首相のクルド語

(3月8日) 昨日(3月7日)、ニュース専門局CNNトルコに出演したシムシェク副首相は、憲法改正や経済に関する見解を述べた後で、キャスターから「クルド語もそのぐらい話せるんですか?」と訊かれて、「もしもそうであれば・・・」と苦笑いしていた。…

対岸の火事?

北朝鮮のミサイル発射は、トルコのメディアでも大きく取り上げられている。 今年に入ってから、北朝鮮の問題に限らず、「中国とアメリカが衝突するのではないか?」といった極東全体の情勢が良く話題になっていたけれど、この一件で一層「極東」に注目が集ま…

民族問題の難しさ

この川崎の産廃屋の寮で、私を在日の韓国人と勘違いして、「日本人というのは随分おかしな連中だな。おまえもそう思わないか」と訊いた沖縄出身のKさんは、「自分のことを日本人だとは全く考えていない」と明らかにしていた。 彼は、沖縄から本土へ出て来る…

国家の正統性/クルド人のアイデンティティー

2013年3月2日、サバー紙のコラムで、エンギン・アルドゥッチ氏は、当時の憲法改正議論に関して、以下のように述べていた。「現存する国家を過去のものにして、新たに全く異なる国家を築くのであれば、それは法改正とか国民投票などで出来るものじゃな…

ベシクタシュのテロ現場

(12月18日) 昨日(12月17日)、エキストラ配給エージェントから面接を受けて来るように言われて、ベシクタシュにある映像制作会社のオフィスを訪れた。こうやって指示通りに面接を受けていれば、5回に1回ぐらいは採用されることもある。 オフィ…

代理戦争

2016年12月10日、イスタンブールのベシクタシュで発生した爆破テロは、PKKの関連組織が犯行声明を出したそうである。しかし、トルコでは、これを「欧米が仕掛けている代理戦争」の一部と主張する識者も少なくない。欧米は、PKKやギュレン教団…

クルド問題の行方

90年代に、「分割の脅威」を叫び、「クルド人の要求を受け入れてはならない」と論じた人たちが恐れていたのは、「当初の要求を受け入れると、後からハードルを上げられて次々に要求された挙句、最終的には分離独立を許してしまうことになる」というものだ…

分割とイスラム化の脅威

90年代のトルコでは、分割とイスラム化の脅威が叫ばれていた。イスラム化を目論んでいると見做された政党は、司法の介入によって解党されても、軍事介入で政権の座から引きずり降ろされても、それは致し方ないことだった。クルドの言語と文化の解放を要求…

クルディスタン州

2013年の3月、エルドアン首相(当時)は、ジャーナリストらの質問に答える報道番組で、「2023年、首相だったならば、その時は州制度を提議する」と述べている。 クルド問題が解決に最も近づいた頃でもあり、エルドアン首相は、民主主義の発展と地方…

マルディン市長アフメット・テュルク氏の逮捕

先週土曜日(11月26日)のヒュリエト紙のコラムで、ムラット・イエトゥキン氏は、逮捕されたクルド人政治家アフメット・テュルク氏と面会するために、マルディンを訪れたデニズ・バイカル前CHP党首の談話を伝えていた。 それによると、バイカル氏はマ…

クルド系政党HDP

クルド系政党HDPのセラハッティン・デミルタシュ党首らが逮捕されたのは、日本でも大きく報道されたようだ。 ある識者は、今回の逮捕を、3段階に分けて進められたHDP対策の3段階目と分析している。まず、9月にHDP系の民選市長24人の解任があり…

強まる民族主義的な傾向?

現在、憲法の改正が議論されているトルコの法律は、イスラム法ではなく西欧の法律がベースになっていて、これに対する不満の声も殆ど聞かれない。 ひと頃騒がれていた「政教分離の危機」も、今や相当ラディカルな政教分離主義者の間で取り沙汰されているだけ…

トルコ主義/オスマン語~トルコ語

イブラヒム・キラス氏は、カラル紙のコラムで数回にわたり、オスマン帝国の末期、国家を維持する為の思想として現れた「オスマン主義・イスラム主義・トルコ主義」について説明していた。オスマン主義は、帝国内のキリスト教徒ら異教徒も平等に扱う思想だっ…

トルコの多様性と苦悩

民選の市長ら28人の解任は、日本でも大きく報道されたようだ。28人の内、ギュレン教団との関わりが追及されているのは、AKPの3人とMHPの1人だけで、残りは全てPKKのテロ行為に加担したとされるクルド系の市長等である。この市長らは、ギュレ…

アメリカが国家を持たせたい最大の民族

「国家を持たない最大の民族クルド」というのは、いったい何を根拠にしているのだろう? まずは民族の定義からして、様々な見解があり、一定の基準など何処にもないようである。言語上の相違をもとにして、スペイン人とカタロニア人、ロシア人とウクライナ人…

ソフトターゲットのテロ

ガジアンテプは、1993年の夏に一度だけ訪れたことがある。当時は、東隣のウルファとそれほど変わらない“クルドとアラブの街”という印象だった。23年経った今では、産業化が進んで見違えるような大都市になったそうである。クルド人の人口が多いにも拘…

イスティックラル通り

今日の午前中、今度はイスタンブールの“イスティックラル通り”で自爆テロがあったようだ。詳細は未だ解らないが、PKK或いは傘下の武装組織による犯行と思われる。PKKは、3月21日の“ネヴルーズ祭”を焦点に行動を仄めかしていた。 「自爆」をやるのは…

仁義なき戦い

昨日(13日)のアンカラの自爆テロは、クルド武装組織PKKの犯行という説が有力のようだ。 南東部のクルド地域におけるPKKの掃討作戦は、いよいよ大詰めを迎えていて、あと一歩のところまで来ているという。そのため、PKKは公然と、「次は大都市を…

ディヤルバクル旧市街

昨年、12月21日付けの“通信”で、「南東部の混乱」について書いてから、既に2ヵ月が過ぎた。しかし、ディヤルバクルの「スル・イチ(城内)」と呼ばれる旧市街に立て籠もったPKKの戦闘員らは、まだ完全に掃討されていないようだ。 一昨日も旧市街で一…

アンカラのテロ事件

昨日、アンカラで起きたテロは、まさにトルコ軍を直接標的にした攻撃だったらしい。参謀本部の付近と報道されていたけれど、一昨日申し上げたように、あの一帯はグーグルアースのストリートビューから外されている。 「過剰反応ではないか?」なんて勝手なこ…

歴史の闇

トルコでは、90年代、国家憲兵(ジャンダルマ)によって作られた「JITEM」という組織が、PKKの掃討を掲げて、PKKとの関連を疑われたクルド人らを、非合法的な処置で、次々に暗殺していたのではないかと半ば公然と囁かれている。 当時は、軍を始めと…