メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アメリカ

反日種族主義~戦後の平和という虚構

「反日種族主義」という本が話題になっている。著者の李栄薫教授は、これを「韓国人の自己批判書」と説明したそうだ。書評を読むと、かなり画期的な内容らしいが、韓国の人たちが歴史等について自己批判的な発言を試みるのは、もちろんこれが初めてではなか…

質素倹約派と贅沢三昧派?

ネパール人就学生らと接していて、もう一つ気になることがあった。平気で食べ物を捨てる人が多いのである。コンビニで買い込んで来たパンや弁当を送迎車の中で食べ、半分近く残してゴミ箱へ入れてしまう者もいた。 あまり「もったいない」という感覚がないよ…

エルドアン大統領とトランプ大統領の会談/ トルコ語のラテン文字化

エルドアン大統領とトランプ大統領の会談は、特に成果もなかったけれど、とにかく米国との関係が維持されたことでトルコ側は満足しているようだ。 サバー紙のメフメット・バルラス氏は、トランプ政権も、来年の選挙を乗り切るまでは、思い切った手が打てない…

「ついにヒロシマの仇を討った!」

2001年の「911」、クズルック村の工場で事件の第一報を聴いた時も驚いたが、翌日、トルコの新聞を見てぶっ飛んだ。 一面に大きく「ついにヒロシマの仇を討った!」というような見出しが躍っていたのである。 記事は、テロを敢行したのが日本赤軍であ…

米国を中心とする世界秩序の動揺?

トルコ大統領府の首席アドバイザーであるギュルヌル・アイベット氏は、出演したニュース専門局CNNトルコの番組で、現在、欧米は、1945年以来続いて来た世界秩序の動揺により、各々の機構に亀裂が生じて意思統一が図れない状態に陥っていると指摘して…

米国の「大中東プロジェクト」は破綻した?

この2002年12月30日付けのインタビュー記事で、退役海軍中将のアッティラ・クヤット氏は、米国によるイラク戦争へトルコも参戦しなければならないと論じていた。 クヤット氏の主張は、既に決定づけられている参戦へ人々の理解を求めるような調子であ…

米国が企図したトルコの分割?

トルコのメディアを見ていると、「公共料金の値上げは戦費調達のためだから仕方ない」といった記述が出て来たり、「戦争に反対するのはPKK国家に賛成ということだ」なんて見出しが躍っていたりする。もはや戦時体制に近い状況であるかもしれない。 ソビエ…

トルコとアメリカの深層国家/トルコ軍による「平和の泉作戦」

深層国家(deep state)という表現は、米国でも使われているそうだけれど、これはトルコ語の「derin devlet(深層国家)」に由来しているらしい。 この「derin devlet(深層国家)」が、トルコでいつ頃から使われるようになったのか良く解らないが、2000…

米中の対決?

「安全靴など履いていたら、労働者みたいでみっともない」と言い放ったヒンズー・インド人の就学生、彼はインドの日系企業でエンジニアとして働いていたそうである。 そのため、日本的な「労働の美徳」については理解があるのか、配送センターでは一生懸命汗…

「風と共に去りぬ」は何故美しい?

池田信夫氏のブログに、人間の本質には利他的な傾向もあるといった説が紹介されていた。集団として行動する場合、個々が利己的な集団は、利他的な個々が団結した集団との戦いに敗れてしまうため、進化の過程で利他的な性格を発展させてきたそうである。しか…

風と共に去りぬ

半年ほど前、映画「風と共に去りぬ」を“YouTube”で購入して観た。全編通して観たのは、多分、三度目ぐらいだったのではないかと思うけれど、観るたびに感動を新たにしている。この映画には、南部の奴隷制度を肯定的に描いているといった批判もあるようだが、…

トルコとアメリカの文民統制

7月17日付けサバー紙のコラムでマフムート・オヴュル氏が明らかにしたところによると、大統領令により参謀本部は国防省に従属することになった。これまでは、1960年の軍事クーデター以来、58年に亘って、参謀本部は大統領府に直属していたそうであ…

アメリカの春

アメリカでは、トランプ大統領の就任に反対する、激しいデモが各地で発生しているそうだ。サバー紙のメフメット・バルラス氏は、1月20日付けのコラムで、これを「アラブの春」に例えながら、「アメリカの春」と呼んで皮肉っていた。バルラス氏は、201…

ロシア/韓国

西部劇で得られたイメージの所為か、私は子供の頃、インディアンが居住していたのは、アメリカの西部だけだと思い込んでいた。実際は、東海岸、今のニューヨークの辺りにも、多くの先住民が暮らしていたという。 南米では、スペイン・ポルトガル系の人々と混…

トランプ大統領

トランプ大統領の就任によって、中東やトルコを取り巻く状況は、いったいどう変化するのだろう?昨日(1月20日)、ニュース専門局(NTV)の番組で意見を求められたアリ・サイダム氏(イエニ・シャファック紙)は、次のような“ハジュ・ベクタシュの小話”を…

また冷戦の時代を迎えるのか?

今日(1月13日)のサバー紙のコラムで、メフメット・バルラス氏は、トランプ次期大統領が、アメリカの諜報機関等を制御できなければ、世界は再び冷戦の時代を迎えるかもしれないと述べている。ティラーソン国務長官候補の公聴会では、民主党のみならず、…

弱肉強食の世界

昔、「カスター将軍の第7騎兵隊」をモチーフにしたアメリカ制作のテレビドラマが日本でも放映されていた。1960年生まれの私が、小学校3~4年生の頃に観ていた記憶があるから、おそらく60年代の後半だったのではないかと思う。 19世紀の西部で、勇…

日本とアメリカの友好

88年、韓国語を学んでいたソウルの語学学校で、同じ教室にいたアメリカ人の青年は、休み時間に、日本の漫画を読みながら笑ったりしていた。韓国語ばかりでなく、解らないふりして、日本語も密かに勉強していたのだろう。もちろん、韓国に留学していた青年…

陰謀と情報操作

所謂“陰謀説”みたいなものは、大概、少し“眉唾”で聞いておくべきじゃないかと思うけれど、かつて南米などで起こったクーデターやテロの中には、既にCIAの謀略が露見してしまったものも少なくないという。しかし、アメリカの内部で暴露されない限り、弱小…

最後の悪あがきなのか?

4日ほど前、ネットでニュース専門局の番組を観ていたら、コマーシャルに入ったので、他局に切り替えたところ、ちょうど元MIT(国家情報局)のジェマル・アルパスラン・エルトゥーという人物が、テロ事件の背景について話していた。エルトゥー氏によれば…

陰謀論

1960年5月の軍事クーデターで処刑されてしまったメンデレス首相は、長らく「独裁者」の烙印を押されてきた。しかし、内乱といった状況があったわけでもないのに、クーデターで簡単に政権の座から引きずり降ろされてしまう「独裁者」が何処にいるのだろ…

暗殺事件の背景

カルロフ大使暗殺犯とギュレン教団の繋がりは、かなり明らかになってきたようだけれど、果たして犯行に教団の指示があったのかどうか、その辺りは未だ判然としていないらしい。仮に教団の指示があったとしても、その背後でCIAが関与していたとは考えにく…

2頭の象が・・・

「2頭の象が争えば、草地は踏み荒らされる。しかし、この2頭が愛し合ったら、下の草地は潰されてしまう」と語った東南アジアの政治家がいたそうだ。トルコの立場も、そういう草地に例えられるかもしれない。カルロフ大使暗殺の実行犯には、ギュレン教団系…

アメリカ大統領の選挙を中東で行ったらどうだろうか?

11月26日付けカラル紙のコラムで、イブラヒム・キラス氏は、西欧のポピュラーな歴史雑誌が、「もしも、こうなっていたら?」という仮定をテーマとして良く取り上げるのに対し、トルコでは、何故、それが余り試みられていないのか説明していた。キラス氏…

アメリカの人種差別主義

トランプ氏がどういう大統領になるのか、トルコでも多くの識者が固唾をのんで見守っているという雰囲気かもしれない。アメリカの外交政策がいきなり大きく変わることはなくても、長期的には何らかの変化が現れるはずだと言いながら、それを具体的に明言する…

トランプ大統領のアメリカ

イスラムフォビアについて語るメルヴェ・カヴァックチュ PAMER Başkanı Doç. Dr. Merve Kavakçı İslamofobiyi Habertürk Manşet'te değerlendirdi. 昨年の12月に、“Haberturk”で放送された上記の番組で、ウスキュダル大学のメルヴェ・カヴァックチュ氏は、…

アメリカの大統領選挙

トルコには、ニュース・時事専門のチャンネルがいくつもあり、中には“YouTube”からリアルタイムで視聴できるところもある。アメリカの大統領選挙に関しては、各チャンネルが特番を組んで、スタジオに外交問題等の専門家を招き、昨日(11月8日)、投票前の…

ロシアとアメリカ

トルコ共和国は、ローザンヌ条約へ至る前に、やはり誕生したばかりだったソビエトと平和条約を締結しており、この為、英国は、さらなる侵攻を一旦諦めて、ローザンヌで交渉の席についたと言われている。こうしてみると、トルコ共和国の潜在的な脅威は、当初…

88年の韓国ソウル

1987~88年の当時、韓国の人たちが「日本へ畏敬の念を懐いていた」というのは大袈裟で言い過ぎだったかもしれないが、秘かな敬意を持って、反日やっていた人は決して少なくなかったと思う。あの頃の日本は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とか言わ…

欧米は中東の民主化を望んでいたのだろうか?

トルコのメディアでは、アメリカがギュレン教団を背後で操っていたという“陰謀論”が相変わらず飛び交っている。エルドアン大統領まで、それを遠回しに仄めかして煽るものだから、ちょっとやそっとじゃ収まりそうもない。もちろん、こういったアメリカと敵対…