メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2003-03-01から1ヶ月間の記事一覧

トルコ人はぬるいのが好き

クズルック村には温泉が湧き出ていて、宿泊できる施設もあり、イスタンブールからも湯治客がやって来る。 しかし、イスラム色の濃いイフラスという会社が施設を運営している為、湯治場一帯にはアルコールを提供する店も無く、日本の温泉とは大分違った雰囲気…

インシャラー

トルコでは信仰の度合いにより挨拶の言い方もまたそれぞれで、熱心なムスリムであれば必ずイスラム式に「セーラムアレイクム」と言うが、これを信仰の度合いが低い人に対して使うと、「そんなアラビア語の挨拶をどこで習ったのですか?」なんて言われてしま…

宗教論議

トルコの人たちと親しく付き合って行く過程でどうにも避けられないのが宗教論議。しかし、相手がかなり熱心なムスリムであっても、教養のあるムスリムならば、そんなに恐れる必要はない。こちらの話もちゃんと聞いてくれる。イズミルのエーゲ大学で、パレス…

ムスリムの礼拝

礼拝の際、ムスリムは、メッカの方へ向かって平伏して祈る。これは、女性も同じやり方のはずであるが、未だかつて女性が礼拝しているところを見たことはない。 モスクで、女性が祈るのは2階に設けられた専用の礼拝所。夫婦が家に居る時でさえ礼拝は別々にす…

トルコでは女性も負けていない

イスラム系ザマン紙の報道によれば、最近トルコでは経済水準の向上に伴って重婚が増えているという。 例として、18年間連れ添った妻と4人の子供をブルサ市に残したまま、仕事の都合から滞在するようになったイスタンブールで、別の女性と結婚していた男の…

じゃじゃ馬娘と「ながロバ」

クズルック村の工場で昼休みに新聞(トルコの大衆紙)を読んでいると、ライン長とかグループ長を務める娘どもが5人ほどやって来て、「何を読んでいるの、面白い話ある?」とか言いながら覗きこむ。 中には亭主持ちもいれば、スカーフを被っている娘もいたり…

クズルック村はかかあ天下?

クズルック村の我が家で、晩になってくつろいでいた時である。近くに住んでいるらしい工場の作業員が訪ねて来て、「うちでお茶を用意してありますからどうぞ」と言う。 この男、近頃働き始めたばかりだが、使えないという評判で、見るからにぼんやりした感じ…

娘さんには御用心

工場で私は通訳として働いているが、この仕事、どうも私には向いていないようだ。トルコ語力が充分でないというのはもちろんのこと、通訳には運動神経ってものが要求される。つまり、ボールを受け取ったら、正しい方向へ直ぐに投げ返さないといけない。私は…

宇宙基地のタクシー?

私が働いている工場では、自動車用組電線を生産している、と言ったところでこれが一体何なのかは業界の人でもなければ分からないだろう。で、どんなものであるのか説明しようとしても、これがまた簡単には行きそうもない。 とにかく自動車の部品を作っていて…

ムスリムは恐妻家?

クズルック工場の生産現場で指揮を取っているトルコ人エンジニアのマサルさんは、中東工科大学出身のエリートで35歳。非常に仕事熱心な上、温厚な人柄で日本人スタッフからも全幅の信頼を寄せられている。英語はもちろんだが、日本で3ヶ月ほど研修を受け…

イスラム異端派

ある日、トゥズラの工場でクルド人の連中と話していると、彼らがこんなことを言う。「僕らは民族も違うけど、実は宗教も違うんですよ」以前にも何度か同じような場面を経験しているので、「そら、来たぞ」と思いながら、「アレヴィーですか?」と問いかける…

トルコ人は何人種?

ボスニア人は、クズルックの工場にもいる。この人も色白で背が高く、これはスラブ系である彼らの特徴なのかも知れない。 しかし、彼の家族は既にトルコで三世代を経ていて、両親もボスニア語を自在に話せるわけではないそうだ。この彼が私に、こんなことを言…

イスタンブール・トゥズラの民族事情

今年(2001年)になって、イスタンブールにある工場も本格的に稼動を開始、最近はクズルック村よりこちらにいることの方が多くなった。イスタンブールといっても東の外れのトゥズラというところである。クズルック村の工場と同様、トゥズラでも従業員に…

クズルック村民族事情

クズルック村の辺りでは、黒海地方のトラブゾン県から移住して来た人たちがなんといっても一番多く、この人たちはラズと呼ばれたりしている。しかし、彼らの全てが、自らラズ人であると必ずしも認めているわけではない。「私たちはトルコ人であって、ラズ人…

トルコ民族とは?

トルコにおける民族問題は、クルド人のようなエスニック・グループに限ったことではないのかも知れない。自分たちがいつからトルコ人になったのか、この問いに確信を持って答えられるトルコ人はどのくらい居るのだろうか。93年に他界したオザル大統領は死…

トルコの民族事情/「蒼き狼」の末裔

子供の頃、といっても中学生の時分であるが、トルコという国に興味を覚え、図書館へ行って調べたりしたことがある。西の彼方、ヨーロッパのすぐ隣にトルコという国があり、住民の9割近くを占めるトルコ人は、モンゴル人に近いアジア系の民族で、遊牧をしな…

禁断の恋

昔、イスタンブールで出会った日本人のおじさん、「イスタンブールには頭をスカーフで覆った女性が少ないんだね。僕はあれにそそられるんだよなぁ」と残念がっていた。彼がこの村に来たら大喜びだったに違いない。工場で、いつもきちっと髪をスカーフで覆っ…

田舎カラス

2001年の年が明けて、まだ間もない日のことだ。朝早くから用事があり、久しぶりに暁闇の中を工場へ向かった。 田舎道を歩きながら、白々としてきた東の山の端を見ていると、散り散りに黒いものが、空高くだんだん広がりながら頭上に迫って来る。もちろん…

クズルック村へやって来る

ここは、アダパザル県のクズルック村。イスタンブールからアンカラ方面に向かって車で約2時間のところだ。アダパザルは、99年の大地震でも有名になったが、元来イスラム教の盛んな地域として知られている。99年の夏、私は当地にある邦人企業の工場に現…